札幌滞在2日目の夜。パブクロールでいい具合に酔っ払ったわたしは素直にホテルに戻りました。が、寒くて温かいものを欲し、再度すすきの方面へ。向かった先は南3西5のN・グランデビル1階にある「ラーメン信月」です。ここはわたし的に懐かしいラーメン屋さん。酔客を相手にしているため、朝方まで営業しているのをわかって訪れました。
店前には入店待ちをしている男性陣が6人ほど。それもそのはず、ラーメン信月はカウンター10席ほどの小さなお店です。雑居ビルの建物内にあるラーメン店ですが、通り抜ける風に吹かれて寒くて寒くて。とはいえラーメン店の回転は悪くないので、フライトジャケットのフードを被り、20分ほど耐えて待っていると席に案内されました。
ラーメン信月のメニューはこちら。しおを筆頭に、正油・みそとそれぞれの味があり、しょうが・野菜・チャーシューメンのトッピングが選べます。わたしがカウンターに座っている間、他のお客さんたちの注文を聞いていると、味噌7:塩3の割合でした。ラーメンだけでなくチャーハンセットにして頼むお客さんが多いみたい。偶然なのか、単品オーダーの割合が極端に低い印象でした。
カウンター席からラーメンを作る様子が眺められました。ドカーッと作って、一斉に着丼させるスタイルです。寒い中並んで店内に入ったもので、この湯気が立ち登る様子に心がわきました。
ラーメン信月を訪れたら、わたしはいつもしょうがラーメンの塩(890円)を注文します。ダメモトで店員さんに「生姜を別皿にできます?」と聞くと、快くOKをくださって。なので、しょうが抜きの塩ラーメン状態からいただく作戦に出ました。
まずはスープから。あっさりクリアで熱々の鶏ガラスープが、冷えた体を温めてくれます。ああ、懐かしい。もう何年ぶりかもわからない、この店の味わいに思わずニンマリ。すすきのにある酔客相手のラーメン店は塩気が濃いめの傾向ですが、ラーメン信月は濃味ではなく、むしろ昭和スタイルの優しさを感じるほど。こういうのでいいんだよ、こういうので。
黄色い縮れ麺は、やや柔かいの茹で上がり。パツ感がほぼなく、むっちりとしたちぢれ麺でした。麺量が多いように感じられ、ズルズル、もぐもぐ、背筋ピーン(食べ物が食道からするっと入って行くための努力。笑)を繰り返します。徐々に伸び始める麺に気付きますが、全然減らないし、なんなら増えてる気がしたほど。
この麺、一柳製麺のおそらく特注麺。札幌市内で食べるラーメンにしては、やや太めに思います。
具材は昔ながらの豚チャーシューにネギ、ナルト、メンマ、お麩。シンプルな塩スープにはネギがよくお似合いです。チャーシューの脂がいいお仕事をしています。脂といえば、スープの湯気が上がらないガッツリ油膜ではなく、飲み終わりにも食べやすい薄っすら程度なのもありがたし。
スープをたっぷり含んだお麩も大好物。わたしはこれが食べたくて、北海道ラーメンが恋しくなります。なんなら麺抜きで、お麩トッピングをしまくってスープを味わいたいレベルにラブ。
途中、別皿にしてもらった生姜で味変を楽しみました。小皿にたっぷりで嬉しい!
鶏ガラあっさりの塩スープに生姜を加えると、さらにアッサリとした味わいに激変。嬉しいことに、生姜効果で体の芯からホットホットになれました。札幌味噌なら確実にニンニクを入れますが、ラーメン信月の塩には間違いなく生姜です。
ということで、札幌市はすすきの南3西5にある「ラーメン信月」でシメラーしてきました。路面店ではなく、雑居ビル1階の内側にひっそりとあるお店ですが、すすきのの飲兵衛たちには知れ渡っています。それもそのはず、1997年創業ということはもう30年近く営業しているわけですから。若かりし頃のわたし、2000年代に何度も食べに訪れました。当時は昭和な味わいとは思い浮かべず、ただただ「おいしい、おいしい」と食べていましたが、いま改めていただくと、すっかりノスタルジーなラーメン屋さんに思えてなりません。
ラーメンの流行り廃りはあれど、この手の味わいは絶やしてはならないと、わたしは思うのです。また食べに伺いますから、ぜひ40年、50年と営業を続けてください。
終わり。
お店の情報
店名 | ラーメン信月 |
住所 | 〒064-0805 北海道札幌市中央区南5条西3丁目 N・グランデビル1階 |
営業時間 | 20時〜翌5時 |
定休日 | 日曜 |
駐車場 | なし。近隣にコインパーキングあり。 |