北海道の両親が沖縄に来ていた時のこと。沖縄本島北部は東村にある「慶佐次湾のヒルギ林」を訪れました。慶佐次と書いてゲサシと読みます。慶佐次湾のヒルギ林は1972年に国指定天然記念物に指定されたそうで、マングローブの北限に近いこと、広大なマングローブ林であることから、貴重な群生林とされているんだって。ということで、慶佐次湾のヒルギ林のレポートいってみよ〜!
やんばる・東村「慶佐次湾のヒルギ林」へ行ってきた。
どこにあるの?
慶佐次湾のヒルギ林は、沖縄本島北部のやんばると呼ばれる地域にあります。東村ふれあいヒルギ公園内の一部が慶佐次湾のヒルギ林となっています。那覇空港から慶佐次湾のヒルギ林まで車で2時間、距離にして95kmほど。名護市から車で60分、30kmほど。車がなければ行けない場所です。
「東村ふれあいヒルギ公園」の様子。
慶佐次湾のヒルギ林は、東村ふれあいヒルギ公園の中にあります。なので、カーナビの目的地は、この東村ふれあいヒルギ公園に設定しても大丈夫です。公園の無料駐車場に車を停めると大きなシオマネキがお出迎え。シオマネキは干潟やマングローブ林、砂地などに生息する生き物で、マングローブ見学の際には必ず目にします。片方のハサミが大きいのが特徴です。
東村ふれあいヒルギ公園は大きな広場を備えた公園です。遊具もあるのでこどもの休憩に使えますね。慶佐次湾沿いに展望台もあるので、マングローブ林を眺めることもできます。
こちらが第一展望台からの慶佐次湾とマングローブ林の眺め。このあたりには長さ1km、幅200mに渡るヒルギ(=マングローブ)の林が広がっています。このサイズは、第一展望台は階段を登る必要があり、バリアフリーやユニバーサルデザインではありません。登れる人は眺めを楽しみましょう。登るのが難しい方は、こちらの写真をどうぞ。天気が悪いのが悔やまれる。
生物保護のため、マングローブ林には立入禁止。
展望台を降りて慶佐次湾に近付くと、こんな看板が立っていました。
In order to preserve the natural habitat of local plants and animals please DO NOT go off trail.
とのことです。生態系保護のため、ルールを守って見学しましょう。
ガイド付きのマングローブカヤックは可能。
とはいえ、せっかくここまで来たのだから、沖縄本島最大級のマングローブカヤックを間近で見たい。そう思う旅行客ももちろんいるわけです。そんな人向けに慶佐次川のマングローブカヤックのプランがありますから、是非予約して楽しんでください。亜熱帯ジャングルの景色を通年で楽しめるそうですよ。5歳以下でも一緒にできるアクティビティもあるので、家族で楽しめますね。
マングローブ林の遊歩道を歩いて探索。
我らは沖縄本島北部ドライブの途中で急に立ち寄ったので、カヤックの予約はしていませんでした。なので、マングローブ林の見学は、整備された遊歩道から楽しみました。
マングローブ林についての展示に目を止める。
駐車場から遊歩道に向かう途中、マングローブ林に関する情報展示がありました。ここで事前にマングローブをすこり知っておくと良いかもしれません。ぶっちゃけ、マングローブって言われてもよくわからないですもんね。
マングローブをざっくりまとめると、「海水と淡水が混ざり合う汽水域に生える植物の森」のことだそうです。マングローブという植物があるわけではなく、海水の混ざり合う河川付近に生える植物の森一帯をそう余分だって。熱帯地域や亜熱帯地域の河口付近に生息し、ヒルギ科の植物が多いこともわかりました。
東村の慶佐次湾のヒルギ林はオヒルギ・メヒルギ・ヤエヤマヒルギが生えているそうです。マングローブを初めて見たであろう道産子のおとん・おかんは、理解してくれたんでしょうか。じっくり読んでから見学に向かうことで理解が深まると思います。
遊歩道の様子。
事前情報を頭にインプットしたら、遊歩道へ向かいましょう。ほぼフラットな遊歩道です、こどもから大人まで歩きやすくなっています。
この遊歩道を歩く分には足元が濡れることはありません。干潟や川辺ではないので、こんなフラットシューズでも大丈夫。パンプスは遊歩道の隙間にハマっちゃうかもしれませんが、ビーサンならイケると思います。
さあ、それでは全長1kmほどの探検に出発!
マングローブ林の散策へレッツゴー!
マングローブの林に誘うかのような、遊歩道の設計です。最初はマングローブの木の高さとほぼ同じ目線の高さで見学できるようになっています。
海水と淡水が入り混じる慶佐次湾の河口付近。ちょうど潮が引いてる時間帯だったのかな、マングローブ林の根っこがよく見えます。
マングローブの根は品種によって全然違うそうです。これはタコの足のようだから、ヤエヤマヒルギかなぁ。この慶佐次湾のヒルギ林がヤエヤマヒルギ生息域の北限だそうです。
遊歩道を進むと、マングローブのジャングルに突入。鬱蒼としています。夏場は虫などに気をつけたほうがいいかもしれません。
見上げると、視界一面にメヒルギの葉っぱ。
行きは全然人とすれ違わなかったので、相当マイナーな観光スポットなのかなぁと思ったのですが、遊歩道の奥に進むと他の見学者とすれ違うことが増えてきました。皆さん早めの時間に見学に来ているのかもしれません。街灯もないし、人気が少ないので、遅い時間の見学はちょっと気がひけるかも。
途中、横道にそれる遊歩道があったので向かってみました。
遊歩道の突き当たりで、下を覗き込む大人たち。
突き当たった場所は、こんな感じになっています。
下を覗き込んで干潟を観察していたようです。地面にポツポツと穴が空いているのはお分かりでしょうか。この穴にはシオマネキが隠れていて、人の気配が消えた頃にそーっと顔を出したりします。そして、人の気配を察するとサーッと身を潜めるのです。
このあたりには様々な生物が生きています。今回は写真に収めることはできませんでしたが、蝶や甲殻類がいろいろいるみたい。
それにハゼや貝、大きなカニ、鳥たちもやってきます。マングローブ林は、独特な生態系を育む場所でもあるそうです。だからこそ生態系を維持・保護しなければならないんですね。ちょっとしたことで崩れ、そこで生活する生き物たちにすぐさま影響を与えてしまう...
マングローブ林見学にくると、必ず根っこを観察します。この地面からちょびっとだけ出ている根っこが好きなんです。遠目に見ると、なんとなく人間の姿に見えるんですよね。ジャングルに小人が現れたような、不思議な光景に目を奪われます。これは、オヒルギの根っこでしょうか。
こちらはオヒルギの花。赤い部分はガクで、内側の白い部分が花びらなんだって。
こっちはメヒルギかオヒルギの果実。発芽すると、果実の中から芽が伸びてきて、どんどん成長し...
つるつる滑らかな手触りの胎生種子になります。手の届くところにありますが...
もちろん採って持ち帰るなんて絶対NGです。
まとめ
ということで、やんばるにある「慶佐次湾のヒルギ林」を訪れました。遊歩道散策は、ゆっくり進んで1時間もあれば十分満喫できます。沖縄本島最大級のマングローブ林には3種類のヒルギがあり、季節によって様々な顔を見せてくれることでしょう。マングローブがなんたるかを直前に読み込んでから見学すると、より一層楽しめると思います。我々は3月上旬に訪れたのですが、暑すぎず寒すぎず、遊歩道散策にちょうどいい気候でした。真夏に訪れる際は虫除け対策や、日焼け対策をしっかり行いたいところです。水分補給も忘れずに!
終わり。
住所:〒905-1205 沖縄県国頭郡東村慶佐次54-1 東村ふれあいヒルギ公園内
(*・ω・)つ 沖縄食べ歩き情報もどうぞー♩