今日の記事はキミへの私信です。
生まれも育ちも北海道のわたしは西日本に疎く、広島県の世羅町という地名を知りませんでした。キミは「世羅はなんにもない田舎」と笑っていたね。そのなんにもない田舎を目指すことになるとは、当時のわたしに教えたら相当びっくりするだろうなぁ。
初めての山陽自動車道を運転中、「視界が悪いな、朝靄か」「視界が開けたな、山の下は雲海だ」とヘッドライトをカチカチ触って。下道に降りたら、アクセルをふかしながら山の風景をクネクネ進んで。予定より15分ほど遅れで、キミの実家まで無事に到着しました。そうして、キミのお骨の前で他愛のない話をしたわけです。ご実家でも言ったけど、ここにも書いておくわ。お前、早すぎっからな。ひとこと文句を言ってしまいたくなるほどに。
この2年間、キミのお母さんとやりとりを続けさせてもらっていたのだけど、ご実家でもすっかり話し込んでしまってね。あっという間にお昼です。「ごはんどうする?」となって、世羅町で人気の「らーめん 一斗」へ一緒に行ってきました。
週末ランチのピークに訪れたので、駐車場はいっぱい。ファミリーからお仕事中の方まで様々訪れています。レンタカーで食べにきたのはわたしくらいなものです。キミのお母さん曰く「この町一番の繁華街にあるラーメン屋さん」だそう。確かに人と車の往来がたくさんで、人も集まっていました。
お店の入り口にも空席待ちの列ができていました。ウェイティングボードが用意され、こちらに名前を記入して呼び出しを待ちます。
20分ほどでお呼び出し。入店すると券売機があるので、まずはこちらで食券を購入します。らーめん 一斗では味噌・辛味噌・醤油・とんこつ・油そばなどが食べられます。らーめん定食というラーメンにごはん・からあげなどがセットになったメニューに心が惹かれましたが、最近急に食が細くなったのでこの日はパスしました。
食券を店員さんに手渡し、しばらくキミのお母さんとお話ししながら客席で待ちます。店内はカウンター席とテーブル席、お座敷席がありました。ぎゅうぎゅうと詰め込む感じの作りではなく、天井が高く、広々として滞在しやすい感じがよいですね。
お水やおしぼり、子ども用のカラトリー類はセルフサービス。必要な分を取りに行きましょう。
この日、わたしとキミのお母さんが食べたのは、せら味噌らーめん(890円)。わたしは半熟味玉(+150円)をトッピングしています。
店内に「世羅の魅力が詰まっています」というポスターが張り出されていて、そこに載せられていたせら味噌らーめんを注文しました。せっかく世羅町にきたのだから、その土地の美味しいものを食べたいじゃない。スープは後を引かないあっさり系、油膜も分厚くないので誰もがおいしいと思う味です。なんにもない田舎と言っていたのに、ちゃんとウマいもんがあるじゃんか。
麺も食べやすいタイプ。パツでもやわでもなく、ごくごく一般的な茹で上がり。この日の世羅町は底冷えするほどではないにしても、普段住んでいる沖縄と比べるとやっぱり寒かったんです。なので、温かいスープや麺をずるっとすすって、体の中から温まりました。
チャーシューは豚バラ。結構大きいサイズ感で、チャーシュー麺にしなくても十分満足できました。
トッピングした半熟味玉(+150円)。とろりとした黄身がわたし好み。
ということで、世羅町の人気店「らーめん 一斗」でランチを食べてきました。「世羅はなんにもない田舎」と笑っていたキミよ。そんなことはない、いろいろ楽しめそうな町じゃんか。次は他のグルメも食べてみたいし、もし可能であれば泊まりで訪れてキミのお母さんと飲みたいと思っているよ。
世羅町からの帰り道、そういえばとても天気がいいなと思ったのです。それでお母さんに連絡したら「お友達が来る時は、いつも良いお天気です」と教えてくれました。そうかぁ、やっぱ見てるんだなぁ。ありがとうね、おかげで運転が楽だったし、風邪もひかずに帰って来れたよ。
そうそう。キミのお母さんに「実は、あの子がいなくなってから、食べに行けてない店があるんです。一緒に食べた思い出が強くて、それをどうも乗り越えられなくて」と伝えると、「食べに行って!」といわれたので、近く行ってこようと思います。その時は、あの日キミが食べてたカレーを食べようと決めてるよ。じゃ、またどっかで乾杯しよーぜ!
終わり。
お店の情報
店名 | らーめん 一斗 |
住所 | 〒722-1112 広島県世羅郡世羅町本郷615-1 |
営業時間 | 11時〜15時/17時〜20時30分 |
定休日 | 月曜、第1・3火曜 |
駐車場 | 専用駐車場あり。 |