先日、福岡で1泊してきました。その際に利用したのが、博多区冷泉町にある「山本旅館」。この佇まい、創業何十年なのでしょうか。山本旅館を目の前にすると、めちゃくちゃ趣のある旅館だなぁと思いました。
福岡市博多区の格安宿「山本旅館」へ行ってきた!
今回、山本旅館を予約した理由は、予約サイトの口コミを見ていると、様々なレビューがあったから。ポジティブなレビューは「安い」「立地がいい」「アットホーム」というようなもの。ネガティブなレビューは「サービスが悪い」「2度と泊まらない」など。中間層が少なく、ネガとポジの両極端に分かれているように見えました。そこで実際どんな宿なのか泊ってみよう!と立ち上がったワケです。
1泊朝食付き4980円!「山本旅館」はとにかく安い。
今回の宿は、宿泊の1ヶ月半前に楽天トラベルで予約しました。「■禁煙■和室4.5畳(1~2名様)全室wifi無料」というプランがあったので、金曜日にチェックインで、翌土曜日にチェックアウトというスケジュールで抑えました。1名1室+朝食付きで宿泊費は4980円(税込)とかなり安い料金設定。福岡は出張利用も多く、平日も週末も宿の料金設定が高い印象ですが、山本旅館はどの曜日も同じ料金設定のようでした。朝食なしでOKの場合は、もう少し安くなりそうですね。
参考までに、「■禁煙■和室4.5畳(1〜2名様)全室wifi無料」というプランの1名利用のキャプチャ(2016年7月9日時点)を貼っておきます。わたしが予約した楽天トラベルの山本旅館のページはこちらです。
>>楽天トラベルで「山本旅館」を見る
「山本旅館」は観光・夜の街を楽しむのに便利な立地。
山本旅館には、JR博多駅から向かいました。目的地までの距離はGoogleマップで900m先と表示が出ました。福岡の街をゆっくり歩いて回ったことがないので、歩いて向かいました。移動時間はたった10分ほど。荷物の量にもよりますが、バックパッカーなわたしは難なく歩ける距離でした。
山本旅館の付近には地下鉄の駅もあります。JR博多駅から歩かない場合は、地下鉄空港線を使い、祇園駅で降りると便利。旅館から国体通りにでるとすぐにバス停もあるので、博多駅方面や天神方面へのアクセス面は良かったです。
「山本旅館」にチェックイン。しかし...
山本旅館に到着したので、まずはチェックイン。
開けっ放しの入り口から玄関にはいると、真っ赤な絨毯のロビーが。この雰囲気もとても懐かしいですね。昔の旅館やホテルって、どうして真っ赤な絨毯だったのでしょうか。
しかし、ここで1度目のハードルが。玄関で「すみませーん」と声をかけても誰も出てきてくれません。玄関入って右手側に、旅館の方が待機していそうな部屋があり、ドアがうっすら空いていたのですが、声をかけたくらいじゃ反応がないのです。そこで玄関内のチャイムを1度押すと、旅館のおばちゃんが出てきてくれました。山本旅館に来たら、まずはチャイムを探しましょう。
旅館の方が出てくると、宿帳を書くよう案内されます。その後、門限やチェックアウト時間、朝食の説明を受け、お風呂場とトイレを案内してもらいます。
「山本旅館」の館内・客室の様子。
旅館の方からお部屋の鍵を受け取り、部屋まで案内してもらいました。玄関だけでなく、廊下まで真っ赤な絨毯です。加えて、山本旅館の館内はちょっとした迷路のよう。最初にしっかり覚えないと、迷子になるんじゃないかと思いました。
今回、わたしが泊まったのは105号室という、1階奥の個室。目の前にある食堂が迷わない目印になりそうです。
さっそく客室内へ。今回利用したお部屋は6畳ほどの純和室でした。昼15時頃に山本旅館に到着したのですが、窓からの光では暗いため、お部屋の中に入ってまずは電気をつけました。なんとLEDライトが設置された和室です。
室内の様子を紹介しましょう。全身が映る姿見の化粧台、ちゃぶ台の上にはお茶っ葉入りの急須、ティッシュペーパー。テレビと姿見があるのは床の間でしょうか。暑がりのわたしにはクーラー設置がほんとにありがたかったです。
折りたたまれた布団の上には、室内着用の浴衣が置かれていました。しっかりアイロンがかけられています。
室内には入り口の他に、扉がもう1つ。これはなんだ?と気になり、開けてみると... 布団が詰まった押入れでした。
わたしの泊まった部屋には窓があり、外ではザーッという雨の音が聞こえます。雨の様子を見がてら窓を開けると、室外機が置かれたベランダ(って言えるかな?)がありました。隣とのブロック塀はすぐ手の届くところに。
ひとしきり観察を終えたので、過ごしやすいようにカスタマイズ。自然とPC中心の動線になりました。この配置、なんだか見たことがあるなぁと思ったら、一人暮らしをしていた時の配置にそっくり!(寝て起きてすぐPCが触れる環境にしていた)
お風呂・洗面所・トイレは共同です。
山本旅館のお風呂は、小さめと大きめの2つ。24時間利用できるそうです。いずれも男女兼用、代わりばんこで利用します。時間帯やハイシーズンはもしかすると混み合うかもしれませんね。お風呂の使用感はわかりません。泊まった翌朝、寝坊してしまってお風呂に入る時間がなかったのです。残念。
お風呂に併設の脱衣所には、フェイスタオルが置かれていました。バスタオルはないので、大判のタオルが好みの場合は持ち込むことをオススメします。
こちらは1階の洗面所。ここも男女の隔てはありません。歯ブラシは自前のものを利用したのですが、旅館側で用意したものがどこかにあったんでしょうか。目にした記憶がありません。
トイレも1階に2箇所ありました。こちらは男女別のトイレ。女子トイレに座ると入り口のドアに膝がつく狭さです。
1階奥にあるトイレは広々としています。洗面所と仕切られた個室が3つありました。こちらは男女別ではありませんが、広さからしてこちらの方が使い勝手良し。どのトイレもウォシュレット完備でした。
ちなみに、洗濯乾燥機も設置されていました。今回は1泊旅行だったので洗濯はしませんでしたが、安宿に長居する方も多いはずなので、洗濯乾燥機が利用できるは便利ですね。
ブロガー&ガジェッターが気になる通信&コンセント事情。
旅先ではPCやカメラ、iPhoneの充電をするための電源確保が必須。最近のビジネスホテルやリゾートホテルにはコンセントが豊富に用意されていたりするんですが、さすがに山本旅館の客室にはコンセントは1箇所のみ。この砂壁の年季の入り具合からして、これまで多くの人がこのコンセントを利用してきたのでしょう。
ちなみに、チェックインの時にはWi-FiやLANケーブルの話は一切されませんでした。客室内にもWi-FiのPWなどはなし。でも、こんな注意書きがあったので、何かしらのネット環境はあるんだろうなぁと思いつつ、そっとiPhoneのテザリングを立ち上げたわたしです。部屋の中では、docomoの4G電波が5段階中1しか届かない時もありました。今回の部屋は奥まった場所なので、仕方ないかもなぁ。
外出しよう。いや、待て、鍵の閉め方がわからんぞ...
客室のセッティングが完了し、一息ついたので、そろそろ福岡観光へ出かけようかなと思ったら。部屋の入り口の鍵がかけられない。部屋の外に出て鍵を回してもかからないし、建てつけのせいでもなさそう。5分ほどガチャガチャやってみたけど、全くダメ。
旅館のおばちゃんに「何かあったら9番を押してね」と言われたので、内線でヘルプ。しかし、いくら9番を押しても、フロントに繋がらない... それならばと玄関へ向かい、玄関脇にあるチャイムを押して旅館の方を呼び部屋の鍵をかけてもらいました。どうやら外から施錠するのではなく、内側のボタンを押してドアを閉めるだけのタイプらしい。
ちなみに、旅館のおじちゃんが陽気な方で、「鍵は部屋の内側だけ」という英語のフレーズを何度も繰り返してました。こんなに安い日本式の旅館なので、きっと外国人客も多いはず。英語でコミュニケーションを取ることが常なのでしょう。
天神の屋台を楽しんで、タクシーで宿まで戻る。
薬院前と天神で数軒ハシゴして、日付が変わった頃に山本旅館へ戻ることに。天神からタクシーで移動して900円くらいでした。Google MAPによると、2kmほどの距離。福岡は地下鉄の終電が0時頃なので、それに乗って帰るのが一番安上がりですが、タクシーの深夜料金でこのくらいだったら全然アリですね。前評判通り、立地はかなり良いと思います。
山本旅館に戻ると玄関の扉が閉まっている!さて、どうする?
タクシーを降りて、ハッとしました。そういえば、遅い時間に戻ってきた時の玄関の開け方を聞いていません。大きめのホテルならば24時間フロントに人がいたりしますが、ここはこじんまりとした古風な旅館。まさか24時間フロントに人がいるようには思えないし、かといって旅館を出る前に戻ってきた時の鍵の開け方・閉め方を聞き忘れていたぞ... 万事休す!
しかし、ご安心ください。どうやら玄関の扉は24時間鍵は開けっぱなしのようです。逆に夜中もこれで大丈夫なのかな、と少し心配になりましたが、周辺の治安は悪くなさそうだから、おかしなことにはならないのでしょう。
客室に戻って、寝る時に少し気になったこと。
部屋に戻ると0時半過ぎでした。翌日も早いので早めに床に入ろうと寝支度。すると、2階から階段を降るミシッミシッという足音と、ハングルを話す男性の声が聞こえました。私の部屋の目の前には階段と食堂があり、通行人の足音がミシッミシッと響きます。寝てしまうと気にならないけど、寝付くまでが問題です。幸い、その後は誰も通らなかったようで、1時過ぎにはすっかり熟睡。久しぶりに木造建築の軋み音を聞きました。
私が利用した105号室だけかもしれないのですが、廊下に面した壁の下の一部が磨りガラスになっていました。人感センサーで廊下の電気がつくと、磨りガラスから明かりが漏れるという状態でした。これ、気になる人はいるかもなぁ。もう1点、窓に設置されたカーテンの丈が短く、隙間から明かりが漏れるのも苦手に感じる人がいるかもしれません。
朝からガッツリ福岡観光したわたしは疲れてぐっすり寝たので、いずれも問題なし。
翌朝、山本旅館の朝食をいただく。
朝7時半過ぎ、廊下を歩く人の足音で目が覚めました。うわー、やっちまった!完全に寝坊です。6時半に起きてシャワーに入り、朝食をいただいて特急に乗る予定が、完全に寝ていた〜!でも、この時間なら9時台の特急に間に合うと考え直し、まずは食事を済ませることに。
こちらが山本旅館の食堂。朝食は朝7時からテーブルにセットされているようです。
食堂に来たら、まずは壁のインターホンを押します。すると暖かいお味噌汁を運んでもらえます。この流れはチェックインの時に教えてもらえるのですが、珍しいシステムだなぁと思いました。ご飯と緑茶はセルフです。1人前の朝ごはんにしては、十分なボリューム。納豆で1杯、鮭と目玉焼きで1杯、生卵で1杯、ご飯3杯は食べられそう。味噌汁にはかぼちゃやエノキ、ワカメなどが入って、おいしかったです。
セルフですが、食後のコーヒーもありました。
お食事処で気になったのは、インターホンを押すと味噌汁がもらえるシステム。これ、外国人観光客は理解できるんだろうか?ということ。そして、最初から食事がセットされているので、どこに座っていいのか迷いそうだと思いました。1人分を食べるならどこに座っても問題ないと思うのですが、欧米系男性が食堂を見回して出て行ってしまったのを見て、迷っちゃったのかなぁと思いました。
福岡市博多区の格安旅館「山本旅館」まとめ!
ということで、福岡の格安旅館「山本旅館」に泊まってみました。いい口コミと悪い口コミが混在している旅館だったので、一体どんな宿なのか、気になって宿泊してみました。その結果、わたし個人的には「安い・近い・懐かしい」というポジティブな印象の旅館となりました。
建物や設備の古さは、長い事その場所で街を見てきた証拠。宿に歴史があるならば、経営されている方だって年を取る。テキパキした対応をしてくれないと怒るのはナンセンスだし、それくらいの心の余裕を持って楽しんでほしいと思います。ホテルライクのホスピタリティを求めるならば、しっかりと接客教育を受けた施設へ向かえばいいだけのこと。山本旅館はごく普段の生活の延長にある宿であり、おじいちゃんちに泊まりに行ったような昭和の懐かしさを楽しめる人向けだと思いました。加えて、安さと立地の良さです。なるほど、純和風のクラシカルな旅館に泊まってみたいというインバウンド客も多そうです。魅力的な価格面からバックパッカーや長期利用者も多そうですね。
宿泊する前からずっと心配していた虫は、1匹も出ませんでした。部屋だけじゃなく、廊下や洗面所、トイレでもハラハラしていたのですが、全く心配なし。意外とイケるもんだと安心したので、福岡旅行の時はまた利用させてもらうかもしれません。
終わり。
住所:〒812-0039 福岡県福岡市博多区冷泉町3-6
(*・ω・)つ 福岡食べ歩き情報もどうぞー♩