広島を訪れたのは、これで3度目でした。2003年、2018年、2023年と回数を重ねるごとに広島のよさを実感しています。さすが中国地方最大の拠点。そんな広島で「世界遺産ふたつを船で行き来できるよ」と教えてもらい、さっそく試してみることに。それが「ひろしま世界遺産航路」です。それではレポートいってみよ〜!
キミは「ひろしま世界遺産航路」を知っているか?
「ひろしま世界遺産航路」とは?
ひろしま世界遺産航路は、原爆ドームと厳島神社のある宮島を最短45分で繋ぐ高速船のことです。ふたつの世界遺産を繋いでくれるなんて観光ナイズされていますね。とっても便利!
原爆ドームも宮島も超有名な観光地ですが、どちらも回るのならば結構時間がかかるだろうなというイメージを持っていました。なのでハシゴは難しくとも別日に回る、あるいはどちらかだけにしようかなと考えていたのです。
今回の広島滞在はあまり時間がなく、無理のないよう平和記念公園と原爆ドームだけ訪れるつもりでした。ですが、初日に訪れた立呑み魚椿で「世界遺産航路、知ってます?」と教えてもらって。その場ですぐに調べました。そして「観光名所から船に乗り、次の観光名所へ移動するだけなら、迷わずスムーズに行けそうじゃん!」と思ったのです。実際使ってみてめちゃくちゃ便利でした。
料金はさまざま
原爆ドーム〜宮島間の乗船料金は、大人が片道2200円・往復4000円、子どもは片道1100円・往復2000円です。往復券がお得だし、また復路券は2日間有効なので、宮島付近に宿泊して翌日戻ることもできます。
片道・往復券だけでなく、平和記念公園〜宮島〜宮島口の通し切符というものもあったので、わたしはそれを購入しました。料金は2300円でした。(いずれも2023年2月時点の料金)
乗船予約のススメ
わたしが訪れたのは閑散期・天候が悪い日・朝早い時間帯だったので、予約なしで当日乗船できました。しかし、船の乗船人数は限りがあります。人気観光スポットのハシゴが可能な航路は、繁忙期の混雑が考えられるので、予約が無難。ひろしま世界遺産航路の乗船予約は前日まで、電話・FAX・Web予約が可能です。
また潮位による欠航もあるなので、運行スケジュールと合わせてネットで調べてみてくださいね。
広島観光モデルコース
ここでは、わたしが訪れた広島観光名所をもとに、モデルコースとしてご紹介します。わたしは広島平和記念資料館と原爆ドーム、そしてひろしま世界遺産航路を使って、宮島の厳島神社へ行ってきました。3ヶ所を巡る流れをご紹介します。
まずは広島平和記念資料館へ
今回の広島滞在では、20年ぶりに広島平和記念資料館を訪れました。
前回強く印象に残った、高熱で溶けた爪の展示は見当たらず。さすがに20年も経つと展示が変わってました。聞くと定期で入れ替えがあり、表に出ていない資料がまだまだ大量にあるとのこと。前回ほどショックを受けませんでしたが、子ども関連の展示や親目線の展示はやはり苦しい…。どうか平和であれ。
原爆ドームへ移動
爆心地に近く、広々とした平和記念公園。慰霊碑や祈念碑などを眺めつつ、原爆投下の目印となった相生橋へ向かう途中、原爆ドームの対岸でサイクリングの休憩をしているファミリーを見かけました。惨劇と対極にある平和な光景。
戦争遺跡が溶け込む広島の風景というのは、本来あってしかるべきの形ではありません。歴史は繰り返してはいけない。安寧が少しでもなk楽、いや永遠に続くことを真に願います。いつかお子サマーを連れてこよう。
ひろしま世界遺産航路の乗り場へ
原爆ドームの後は、ひろしま世界遺産航路の乗り場へ移動します。写真中央が原爆ドーム、その少し右側にある緑のテントがひろしま世界遺産航路の乗り場付近です。ほんと近い。原爆ドームからは南へ150m、元安橋のたもとに乗り場があります。
川沿いに移動すれば、確実にこの乗り場が見つけられるはずです。船着場の奥にチケットブースがあります。予約済みの場合も当日券の方も、ここで受付を行ってから乗船します。
原爆ドーム→宮島まで片道45分!
原爆ドーム横の乗り場から宮島行きの船に乗り込みます。この日は天候が悪く、朝2便ということもあってか15人ほどの乗船客でした。潮汐に合わせてデッキの使用状況が変わるそう。この日は残念ながら水位が浅く、デッキは利用NGだったのですが、天気のよい水深があるタイミングなら甲板に出ての移動が気持ち良さそうです。
出発から20分ほどかけて河口付近までゆっくりと進みます。
船内にはモニターが備えられ、平和記念公園付近やいくつもくぐる橋の観光ガイドが流れていました。
大きな構造物はかっこいい。本川大橋を抜けると、ほぼ海です。おそらく川と海の境目付近になると、水面にやや波がありましたが、そこ以外は海面が落ち着いて、船酔いはしませんでした。
水面に浮かぶ水鳥の輪を見つつ、出島あたりの海キリンに見送られる頃には高速運転に。
河口から25分。この移動時間中に宮島での過ごし方や帰りのJRを調べていたところ、目的地が近付いてきました。あっという間だったな〜。
はい、到着。天気が悪いのがちょっと気になりましたが、島にかかる雲が幻想的でもありました。これはこれでよし。
宮島上陸したらやっておきたいこと
往復券を持っている人に限るようですが、帰りの便の手配を済ませてから宮島観光を楽しんだ方がよいようでした。おそらくどこかの時間帯に集中するのを避ける目的があるのだと思います。上陸後はすぐにこの売り場に立ち寄りましょう。
ちなみに通し券を購入したわたしは、このあと宮島→宮島口を移動するのですが、この場合は予約なしでも大丈夫でした。
世界遺産の厳島神社へ
宮島といえば、やっぱり厳島神社は外せません。船着場から10分ほど歩いて向かいます。途中お土産屋さんが立ち並びますが、滞在時間が限られているわたしは厳島神社だけをまっすぐに目指します。
道を急ぐわたしの行く手を阻もうとするシカさん。時間がない!(けど、写真は撮る)
海岸線を進むと、海に突き出す赤い鳥居が見えてきました。
大きな狛犬と一般的な鳥居をくぐり、足を早めます。この付近にもシカさんがいて、クーンともキューンともいえない鳴き声をあげては観光客に「キャー!かわいー!」とキャッキャされていました。モテ技!
593年に創建されたといわれる厳島神社。拝観料300円を支払い、参拝入り口の東回廊から入場します。
回廊や社殿を含む施設全体が朱色。山々の深い緑を背負い、独特な風景だなと思いました。晴れの日はもちろん、曇りや雨の日も趣が異なるでしょうし、写真好きな人は何時間いても楽しめそうですね。
そして安芸の宮島といえば、海中に設置された大鳥居が欠かせません。改修工事が行われ、足場や防護ネットを撤去したのが2022年12月だそう。いいタイミングで訪問できました。
偶然、神様の使い・シカさんが大鳥居の近くをゆったり歩いていたのですが、ゴツいレンズの一眼レフな方々のように波打ち際まで降りる時間的余裕がなく、わたしはサッと退散。幻想的だ〜!
帰り際、重厚感のある能舞台が目に留まりました。雨ざらしになっていますが、こちらも重要文化財に指定登録されています。海に建てられた国内唯一の能舞台とのこと。時間がなく、厳島神社には正味20分ほどの滞在でした。天候や時間によって様々な表情が楽しめそうです。いつか宮島内に泊まってゆっくりしたいな。
宮島には大きなレンズの一眼カメラを手に歩く人が、ほんとにいっぱいいます。その皆さんの後を追いかければ、気付きが得られるなぁと思いました。この写真もそれで、水路沿いにしゃがんで一眼カメラを構える方がいたので目を向けると、橋の下で雨宿りするシカさんがいるとわかりました。視野の広さと着眼点がすごいし、あれだけ大きなレンズなら寄り方・切り取り方も様々楽しめますよね。ちょっと羨ましく思ったデジカメ派です(でも、なるべく荷物を軽くしたい)。
宮島→宮島口へ移動
宮島観光を終えたら、宮島口へ船移動します。わたしが利用したひろしま世界遺産航路の通し切符は、宮島→宮島口への乗船予約は不要なので、出発時間だけ確認しておけば問題ないと思います。
驚いたことに、この日はなんと貸切!曜日や繁忙タイミング、そして乗船時間によって混雑具合は大きく変わると思いますが、他にお客さんがいなくてとにかくビックリ。わずか5分程度の乗船ですが、快適に過ごせましたとさ。
まとめ
ということで、ひろしま世界遺産航路を利用して宮島の厳島神社まで行ってみました。今回は平和記念公園〜宮島〜宮島口の通し切符を利用しましたが、広島市内中心部へ戻るなら普通に往復券が便利です。片道だけもあるので旅のスケジュールに合わせて、いろいろと選択できるのはありがたいですね。
厳島神社はカメラの充電を万全にして訪れたい場所でした。海に建つ大鳥居を角度を変えていろんなところから撮影したいし、四季や朝昼晩の時間帯に合わせて様々な表情が楽しめそうです。足元が濡れても問題ない装備で訪れると素敵な絵が撮れそうですよね。宮島のシンボル、楽しいなぁ。
それと、スターバックスが表参道沿いにあって驚きました。わたしはスタバアプリのマイストアパスポートでスタンプを収集しているのですが、そんなに混雑しておらず、さくっと立ち寄れてよかったです。
宮島での滞在時間はたったの1時間10分でした。もっとゆっくり観光したかったけれど、その先の予定を考えるとこれがギリギリ。次回は余裕を持って朝晩の宮島滞在を楽しめればと思います。
終わり。
お店の情報
店名 | ひろしま世界遺産航路 |
住所 | 〒730-0051 広島県広島市中区大手町1丁目9-9 |
営業時間 | 8時〜19時 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | なし |