函館帰省中の酒場放浪3軒目。A氏に連れられてやってきたのは、松風町電停近くのスーパーホテル函館裏にある「屋台ライダーキック」というお店です。なんというか、民家の軒先におでんと書かれた赤提灯が灯っているだけで、他にお店らしい看板などは出ていません。えー、ここ入れるの?一人じゃ絶対素通りするわ。A氏の後に続いて怖々入る気弱なわたし。
店内には、何故かおでんの屋台が。なんで建物の中に屋台があるの!驚きつつも、これはこれで合理的な気がするんです。だってほら、この頃(3月)の北海道ってまだ寒いんだもの。お客さんの事考えたら屋内で飲むのがいんでないかい。積雪によっては屋台も大変でしょうし。
3軒目ですが、お店のおやっさんに「何かつまむかい?」と言われたら、答えはイエスしかありません。おでんケースの蓋を持ち上げると、湯気がボワッと。だしのいい香りが辺りに漂います。
もう3軒目でお腹いっぱい。軽くつまめる感じで盛り合わせて欲しいとお願いすると、おやっさんがおいしいところを見繕ってくれました。
こちらがおでん盛り合わせと、サッポロラガー(500円)です。ビールはサッポロラガーと聞いて、嬉しくなりました。わたしの好きなビールなのです!
屋台ライダーキックのおでんは、1つ100円から。この日は厚揚げ、たまご、煮汁がしみた大根、しらたき、肉団子、きんちゃく、がんもと7種類。軽くつまめる、というより、がっつり食らうボリュームじゃないっすか、おやっさん!卵アレルギーな子を持つためたまごはA氏へ、それ以外は完食です。寒い夜に熱々おでんは体を温めてくれます。このおでん、テイクアウトも可能。軒先の赤提灯を目にした人がやってきて、おでんだけ買って帰る話も伺いました。
お腹いっぱいという割に、あっという間におでんを食べ。ビールのアテに何か欲しいなぁと伝えると、「うちにはこんなもんしかないよ」とおしんこが出てきました。そうそう、こういう昭和な雰囲気の屋台ならOKなんです。価格はおいくらだったのか、メニュー表がなさそうなのでわかりません。
屋台が置かれた店内には、函館の昔の大門の写真が張り出されています。函館が最も栄えていた活気のある時代を知る人はだんだん減っています。こうして、当時の様子を受け継ごうとする人がどこかにいないと、忘れられてしまう... モノクロームな写真を眺めながら、わたしのブログの原点に近い気がしました。地元に帰った時に函館山の要塞跡や穴間海岸を見に行くのは、自分の管理範囲でログを残しておきたい。つまり函館の歴史や景色を切り取って保存しておきたいからなのです。
屋台ライダーキックの奥には、別のお部屋があります。カウンター席があってCDやギターが並べられていますが、ここはオープン前の古民家カフェ「茶結(ちゃむす)」だそうです。訪れてから3ヶ月以上経過しているので、そろそrこの古民家カフェは開店しているんだろうなぁ。
23時過ぎ、A氏との飲み会もお開きに。帰り際、A氏から「大丈夫か?おまえんちまでのタクシー代、5000円くらいになるんじゃないのか?」と言われました。大門からわたしの実家まで距離がありますし、確かに函館はタクシー代が高い気もする... とはいえ、5000円くらい持ってるし、何とかなるだろうと終電後の電車通りを歩きながらタクシーが通りかかるのを待っていました。しかし、タクシーどころか自家用車すら通らない〜!仕方ないので五稜郭まで歩き、そこからタクッて帰宅しました。まさかの展開にびっくり!
ということで、函館・大門の「屋台ライダーキック」でおでんを食べてきました。おでん屋台の雰囲気を楽しみつつ、壁に貼られた昭和初期のモノクローム写真を眺めてノスタルジーを感じました。他のお客さんも「あったね、こんな建物。懐かしい」と話していたし、大門付近で生まれ育った人なら、かつて栄えていた大門の活気を感じられて懐かしいだろうなぁ。大門には味のあるお店が多いなぁ、そんなことを感じた夜でした。
終わり。
住所:〒040-0035 北海道函館市松風町1-6
(*・ω・)つ 北海道食べ歩き情報もどうぞー♩