那覇市「焼肉 大扇」肉は仕入れ次第、酒はビールと泡盛だけ。油と煙が染みた客席も味わい深い。

何年も前から気になっていた「焼肉 大扇」を訪れました。大扇と書いてだいせんと読みます。

那覇市のゆいレール赤嶺駅から徒歩圏内にある、知る人ぞ知るな焼肉店です。なかなか訪れられずにいましたが、持つべきものは小禄エリアに住むお友達ですね。「焼肉行こう！」と誘い出し、お店に電話予約をした後は、フッ軽で赤嶺に到着しました。

お店に予約電話を入れると、駐車場がないと告げられました。店脇に駐車スペースはありますが、どうも焼肉 大扇の契約ではないようです。でも安心してください。この辺りは飲み屋街で、いくつかコインパーキングがありますから、そちらを利用しましょうね。

店内に入り、予約名を告げます。案内されたのは、弾力性のないペタンコに潰れた畳のお座敷席。足の裏から伝わる昭和50年創業の歴史に、心が躍りました！焼肉の油と煙が染み込んだ茶色い壁、畳、天井。老舗焼肉店のセピアな世界、いいじゃありませんか！

遠くの壁には阪神タイガースのタペストリー。お隣のフェイスタオルに書かれた背番号25番と32番といえば、新井兄弟ですね。懐かしい。

ひとしきり店内を眺めたあとは、メニューをチェックです。写真を左右にフリックすると、全てのメニューを確認できます。

焼肉 大扇は正肉よりもホルモンが得意なのか、種類が豊富でした。ただ、お肉は仕入れによって変動するみたい。それからサイドメニューはスープが食べ応えのありと聞いたけれど、お腹いっぱいすぎて注文できなかった〜！これは次回に持ち越します。ドリンクはビールと泡盛、そしてソフトドリンク2種類のみ。シンプルな構成です。

焼肉やホルモンのメニュー

サイドメニューなど

ドリンクメニュー

ということで、さっそく生ビールで乾杯。樽生はオリオンドラフト（550円）でした。正直、洗浄が甘いけれど、それもご愛嬌ということで。

焼肉 大扇では、こちらのガス式ロースターで肉を炙るようです。ロースターは無煙なはずがなく、ロースター上にも排煙ダクトなんてものはありません。店内がセピア化するのは、言わば仕様です。

まずやってきたのは、ミックスホルモン（900円）。レバー、ハツ、センマイ、ホルモンの4種類がごちゃっと混ざってやってきました。

しっかり両面を加熱していただきます。

肉は味付けされていますが、ニンニクが効いた甘めのタレも用意されています。タレは卓上に出されないっぽいので、追加が欲しくなったらお店の人に相談が吉ですね。

肉が焼けたら、タレにドボン。こんがり香ばしく焼かれたホルモンは、管のままぶつ切りの状態。甘い脂がジュワッとほとばしり、うまいのなんの。

ハツ、レバー、センマイも焼き上がりました。どれもウマかった〜！焼きレバーが得意じゃない方、安心してください。わたしもそんなに得意じゃありません。でも焼肉 大扇のレバーは全然違和感なく食べられました。

こちらは、コリコリ（700円）。これ、初めて食べたかも。牛の心臓近く、大動脈のことだそうです。

色も白っぽいし隠し包丁も入っているので、なんだかイカみたいですが、イカではありません。その名の通りコリッとした食感がよいですね。低脂質、高タンパクなので、マッスルを鍛えたい方もオススメです。

このあたりで瓶ビールのキリン一番搾り（600円）にチェンジ。女子3人、仕事の愚痴を吐き出しながら、「いろいろあるけど、まあ飲もうか」とビールを注ぎあったりして。

恨み、辛み、妬み、嫉み。生きてるだけで色々ありますよね。でもね、そんなネガティブな感情は、焼肉屋さんで燃やしてしまえばいいんです。そんなわけで、こちらはツラミ（1500円）。牛の頬で、カシラとも呼ばれる部位ですね。

サシの入ったツラミ。見るからに柔らかくておいしそう。

焼き上がったら、タレをつけていただきます。牛の肉、脂には多幸感を増幅させる成分でも入ってるのでしょうか。焼肉を食べたら、イヤな気持ちを浄化できる気がします。

食感がよく、ほどよくおいしかったタン（1800円）。1人前で6枚ですが、若い頃のようにガツガツと貪るのではなく、つまんで飲んで「ああ、いい夜だったなぁ」と感じる年代にはちょうどいいボリュームです。

ミックスホルモンを食べて「リピート確定！」と思ったホルモン（700円）は、数回おかわりした記憶。わたし、これは永遠に食べ続けられる気がします。

最後はツラミ（1500円）でシメ。これも何回注文したんだろう。

ツラミもおいしかったなぁ。焼肉 大扇を訪れたなら、ホルモンとツラミは必ず注文してほしいです！

ということで、那覇市宇栄原にある「焼肉 大扇」に行ってきました。かれこれ5〜6年前には評判を耳にして、一度は食べに行ってみたいと思っていたお店です。やっと叶えられた〜。古き良き飲食店の再確認をしていくの、大切だと思ってます。

いわゆるきたなシュラン的ですから、好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。もはや落としきれない、油が染み込んだ茶色い店内。潰れすぎた畳。水が溜まらない水洗トイレのタンク。最低限の接客。なかなかシビれますが、昭和生まれのわたし的には全然アリでした。むしろ好き。笑

おいしいホルモンとツラミ、そして未来に残したいセピアな景色。焼肉の煙をまとった女子3人、この後「カラアゲ食べた〜い！」とパリパリに向かったのは、さすがに若作りしすぎたかも。笑　それもこれも、小禄の夜が楽しかったからに違いありませんね。
終わり。