沖縄には、古民家の沖縄そば屋さんがいくつもありますが、那覇市高良の住宅街にもオススメの1軒があります。それが「那覇そば処 たからまちがー」です。栄町で人気の「大衆酒場 八六」オーナー上原さんの沖縄そば店で、定番と月替わりの限定メニューがおいしく、これまで何度もリピートして訪れています。それでは、さっそくレポート行ってみよ〜!
那覇で人気の「那覇そば処 たからまちがー」について
どこにあるの?
たからまちがーは那覇市の小禄エリアにあります。那覇空港が近く、渋滞がなければ車で10分ほどの距離。有名な沖縄そば屋さんの木灰そば とらやも近くの立地です。周辺にはレンタカー屋さんも多いため、乗り出し直後や返却直前に食べに立ち寄りやすいでしょう。ただ、気をつけて欲しいことがありあす。細い路地の住宅街を通行するため、運転には十分注意しましょう。
駐車場は?
たからまちがーはゆいレール駅から離れた場所にあるので、車で訪れるのがベター。駐車場も完備しています。こちらは店舗前の第一駐車場。
第二駐車場も近くにあり、合わせて16台ほど停車できます。バイク置き場も完備していますから、地元の方も利用しやすいですね。
お店の様子
車を降りて真っ先に気になったのは、こちらの井戸。飲料用ではありませんが、近くに桶があるので、今も現役のようです。店名・たからまちがーの意味はここからきているんだろうなと思います。
というのも、「たからまち→高良町」と「がー→井戸」から構成された店名だからです。沖縄では、昔から湧水や井戸などの水場を大切にしているんですよねぇ。なので、店名が素敵だなぁと思っています。
お庭も立派で、大家さんご夫婦がさまざまな草木を愛情込めて育てられているそうです。敷地内にはマンゴーやパパイヤなども実っているので、タイミングが良ければ観察できるかも!入店待ちの際は、この南国感溢れるお庭を楽しんでください。
お食事スペースは、こちらの古民家です。店内への出入りは、勝手がわからないと一瞬悩むかも。戸の開いた縁側からそのまま入店すればOKです。この放たれた縁側とそこから出入りする様子が地域に溶け込んで、この感じもまたいいなぁと思わせます。
週末の混雑時は、入店待ちの並びができます。入り口付近にはウエイティングリストが用意されていますから、ここに名前と人数、そして希望の席(お座敷席 or カウンター席)を記入して、呼び出しを待ちましょう。
店内に入ると、畳のお座敷席が広がります。子連れで訪れやすい沖縄そば屋さんです。
奥のお部屋には、モダンな円型カウンターの客席も用意されています。こちらは大人がひとり・ふたりで訪れた時に利用するのにちょうどいいですね。
たからまちがーのこだわり
たからまちがーには、お店の方のこだわりが所狭しと詰め込まれています。見て回るうちに、愛情もってお店を運営されている様子が伝わってくるので、みなさんも是非お店を訪れて実際に見てきてほしいです。その様子をいくつかご紹介します。
沖縄そばへのこだわり
沖縄そばを作る上でのこだわりが張り出されていました。スープには昆布は北海道産(羅臼・利尻・日高)を3種使い、鰹節は鹿児島県枕崎市の高級品を使用。さらに沖縄県産のやんばる若鶏をフレンチの技法で旨味を抽出し、お水はにいみ浄水器を使用しています。麺は沖縄県内でも有名な亀浜製麺所を、塩も数種類使っているみたい。もちろん無化調というこだわりも。
ちなみに、こだわり食材を使ったあっさりとした定番メニューはもちろん、毎月入れ替わる個性的な限定メニューもおいしいお店です。わたし個人としては、初めての方は定番を、リピーターには限定を食べてもらいたいなぁと思っています。そうすることでたからまちがーの魅力が最大限伝わるでしょう。
器のこだわり
奥の部屋には、使用している器の案内が張り出されています。たからまちがーでは、沖縄県のやちむんを使って食事を提供しているのですが、やちむん工房や作家さんのこだわりがあるというよりも、インスピレーションで購入しているそうです。欠けたら金継ぎして使い続けています。素敵だなぁ。
卓番のこだわり
まずは、客席に置かれた卓番です。この日座ったのは「お席番号6番 宮里さん」というように、沖縄でメジャーな苗字が書かれています。これ、他のお店では見かけませんし、席によって名前が異なるため、毎回「どんな苗字だろう!」とわくわくします。
古民家やお庭なども
古民家や素敵なお庭についての紹介や、琉球ガラスとやちむんの器についても触れられています。ここまでしっかりとお店の話を書かれている沖縄そば店、他で見たことがありません。
また、黒板には手書きでじゅうしぃおじやの説明や、カウンター中央に配置された木の紹介も。
メニュー
こちらがたからまちがーのメニュー(2023年3月時点)です。久しぶりに訪れたらメニューが増えて進化していました。
この時は、沖縄そばは8種(①月替わりの限定、②スペシャル、③ソーキ、④三枚肉、⑤ゆし豆腐、⑥てびち、⑦コロコロラフテー、⑧鶏卵)ありました。沖縄そばのカスタマイズコーナーもあり、トッピングを数えると12種類ほど用意されていました。
サイドメニューのごはんものも充実し、おかぁ特製じゅーしー4種と、京都のおあげのいなり寿司4種が選べます。
注文は、お店に入ってすぐのレジにいるスタッフさんに伝えます。その際にどの席か案内されます。お会計は食後。レジに立ち寄って志原ましょう。
実食!グルメレポート
本ソーキそばに三枚肉トッピング
初めての注文時、本ソーキそばの小(500円、2021年7月時点)に三枚肉をトッピング(+200円)してみました。沖縄そば屋さんをにはソーキと三枚肉のどちらも乗せられたミックスがあったりしますが、この時はそれがなかったのです。ならば勝手にミックスしちゃおうとトッピングをしてみました。卓上のネギをたっぷり乗せていただきます。
まずはスープから。どんぶりの底まで透き通ったスープは過去最高にあっさり。スープの出汁は、鹿児島県枕崎市の鰹節と沖縄県産鶏がベースだそうです。無化調で味付けは控えめの薄味、最後まで飲み干せるスープを目指しているのがわかります。
このシンプルなスープに合わせるのは、豊見城・亀浜製麺所のあっさり麺。率直に書くと、正直この麺は意外でした。というのも、最近オープンする沖縄そば屋の多くが自家製麺だからです。なので、「逆張りで、古き良き麺を使ってきた〜!」と驚きました。
三枚肉はくるりとまいて仕込んでいます。あっさりの味付けで、丁寧に下処理していることがわかります。スープも麺も邪魔しないおいしさです。
こちらは本ソーキ。大きな肉の塊!
本ソーキは骨が硬く、食べる時に邪魔になるので先に外します。軽く引っ張るとスーッと簡単に抜けました。肉質はほどよく柔らか。
卓上には調味料や紅生姜、ネギが置かれています。
初回とあって、いろいろ試してみました。まずは定番のコーレーグース。控えめな味付けのスープに変化が生まれ、存在感が増します。
もうひとつ、ゆず七味も好みでした。スープに広がるゆずの香りに、ピリッと辛さのアクセントがおいしいです。
スペシャルそば
豪勢に食べたかったこの日は、スペシャルそばを注文してみました。スペシャルそばとはその名の通り、お肉が3種類も乗せられてとってもスペシャルな沖縄そばです。お肉がたっぷりなので、麺サイズは小(750円、2023年3月時点)を選びました。
まずはスープから。カツオ、鶏、昆布と塩のみで作られ、雑味がなくクリアであっさり。このお店以上にあっさりのスープは出会ったことがありません。文字通り最後まで飲み干せるおいしさです。
麺はベーシックな亀浜製麺所。沖縄そばのサイズが小なので、麺量は100gです。
スペシャルそばのお肉3種類のうち、まずは三枚肉から手をつけました。薄いカットで食べやすく、あっさりの味付け。
お次は軟骨ソーキを。赤身部位がほとんどなく、ポリポリ・ポロポロとした食感です。トロンな部位もあったけれど、もうちょいトロトロに煮込んでもらった方がわたし好みかも。
そして、てびちです。とろとろ、ぷるっぷる。とても丁寧に仕込まれています。てびちの軟骨も食べれてしまうくらい柔らかく仕上がっていました。コーレーグースを垂らすと風味が変わって、よりおいしくなります。
コロコロラフテーそば
いつの間にかレギュラーメニュー入りしていた、コロコロラフテーそばはお子サマー用に注文してみました。食べ盛りなので麺を中サイズ(150g、700円、2023年3月時点)で注文したら、想定以上にボリューミー!しかも、メニュー写真よりもたっぷりとコロコロラフテーがトッピングされています。柚子と甘みを感じるスープは子どもウケが良かったのですが、お肉と麺量が多くてお腹パンパンでした。
辛い!ゆし豆腐そば(限定)
2022年7月の限定メニュー、辛い!ゆし豆腐そば(中、800円)をいただきました。
沖縄そばの上には辛いゆし豆腐、つまり麻婆豆腐が乗せられています。辛ニラもトッピングされて本格的です。
まずはスープから。たからまちがーらしいあっさりとした味わいに、食べながらじんわり汗がにじむような辛さです。
麺は他の沖縄そばと同じタイプ。このスープには、この麺がいい。
たっぷり乗せられた辛いゆし豆腐は豆豉が使われて、わりと本格的。あっさりとした味わいですが、時々スパイスで咽せそうになったりして。みなさまもご注意を。
穴の空いたレンゲも添えられて、最後まで具材をすくって食べられました。
牡蠣鶏白湯沖縄そば(限定)
こちらは2024年3月の限定メニュー、牡蠣鶏白湯沖縄そば(小100g、850円)です。味玉トッピング(+100円)をしてみました。
牡蠣鶏白湯沖縄そばのスープは、沖縄県産鶏と牡蠣で出汁を取っているそう。この日のスープは表面に泡立ちがあり、クリーミーで口当たりの軽さく、鶏と牡蠣の香りが口内から鼻に抜けていきました。ああ、これはめちゃくちゃ好み!もしかすると、利益度外視のスープじゃなかろうか。それくらい旨味が強く、おいしいのです。
やや縮れたシンプルな平打ち麺をすすります。たからまちがーの定番メニューと月替わりの限定メニュー、同じ麺なはずですが、スープによってこれだけ顔付きを変えてくるのが凄い。研究されているなぁ。
トッピングは低温調理の鶏肉・牡蠣、そしてこの日は岩海苔とアーサのハーフでした。磯の香りが爆発するように顔って、めちゃくちゃおいしいです。ひとつぶ添えられたピンクペッパーを噛み潰します。辛さはなく、フルーティーでフローラルな華やかさが広がりました。これがまたスープを引き立てます。
ほとんど生状態の低温調理した牡蠣。ちゅるんと頬張ると、誰もが笑みを浮かべるでしょう。牡蠣トッピングすればよかったなぁ。ひとつじゃ足りないほど、おいしかった〜!
こちらはトッピングした味玉。中まで味が染みて、黄身はとろん!
ふーちばーじゅーしー
ふーちばーじゅーしーもいただきました。ジューシーもサイズが大中小と選べ、この時は小サイズ(100円、2021年7月時点)を注文。ボリュームは100gほどで、食べやすいサイズ感です。ふーちばーを使っていますが、そこまでヨモギ感は強くありません。沖縄そばと同様、ジューシーも味が薄めで、豚の脂もあっさり。とにかく全般あっさりです。
ジューシーといえば、そばのスープと合わせていただくのが大好きです。スープに加えたゆず七味の風味がジューシーに移って、味変を楽しみました。
柚子ラフテーいなり寿司
柚子ラフテーいなり寿司(200円、2023年3月時点)をいただいてみました。お肉は優しい甘めの味付けで、柚子の香りが爽やかです。お肉はたっぷり詰められているし、食感もしっかりめで食べ応えがありました。
鰻と玉子のいなり寿司(限定)
こちらは、2022年7月限定の鰻と玉子のいなり寿司(200円)。夏ですから、鰻をいただけて嬉しい!うずらの卵を一度凍らせて黄身を取り出し、その後漬けにして鰻に乗せたそうです。おいしかった!
漬けホタルイカいなり寿司(限定)
2023年3月の限定いなり寿司は、漬けホタルイカいなり寿司(250円)でした。京都のおあげを使ったいなり寿司に、春の食材ホタルイカをトッピング。自家製出汁醤油に漬け込み、食感と山椒の香りが楽しめます。甘めの酢飯に白ゴマの風味、そしてホタルイカ。これ、最高だったなぁ!
まとめ
ということで、那覇市高良にある人気沖縄そば店「那覇そば処 たからまちがー」に行ってきました。
築55年以上の古民家をリノベーションした佇まいに、オールドスタイルを踏襲したあっさり・さっぱりな沖縄そば。沖縄そばの新店がオープンすると、ラーメン的なニュースタイルが多い昨今ですが、その中でたからまちがーは古き良き沖縄そばを提供しつつ、毎月の限定メニューで新しい提案を続けています。これて、とってもチャレンジングなことですよねぇ。
訪れるたびにメニューが増えているようですし、毎月の限定メニューのおいしさからも、この店の柔軟性と創意工夫を感じられます。おそらく、この先も更なる追求をしていくことでしょう。こんなお店は、定期的に食べに訪れたくなるもの。だからわたしはリピートしていますし、観光滞在中の友人にもオススメしたくなるのです。
終わり。
お店の情報
店名 | 那覇そば処 たからまちがー |
住所 | 〒901-0145 沖縄県那覇市高良1丁目6-13 |
営業時間 | 11時〜18時 ※変更もあるので、SNS要確認 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | 専用の第1・第2駐車場あり |