盛岡「平興商店」目の前の酒蔵から運び込まれる日本酒をもっきり(角打ち)で味わう。

2017年12月29日

盛岡の角打ち「平興商店」に行ってきた。

少し前のことですが、かなり久しぶりに盛岡を訪れました。成人してから初めての盛岡です。そうなると、どうしても期待してしまうのはおいしい日本酒。そこで、気になっていた「平興商店(ひらこうしょうてん)」という酒屋さんを訪れました。お店の前までやってきた時、わたしはニンマリしました。これは間違いなくいい酒場だ、と。この佇まいにビビッときたわけです。

盛岡の角打ち「平興商店」に行ってきた。

お店の入り口には「コップ酒をやっております」の張り紙。また「生ビールやっております(七月八月)350円」とも。色あせたベアレンのポスターも風情を感じます。

「平興商店」の店先に貼られた、手書きのPOP。

半分空いた引き戸から平興商店に入ると、看板猫のミミちゃんと目が合いました。とっても大人しいミミちゃんに、初めましてのご挨拶。お店のお母さんに「ここで飲めると聞きまして」と話しかけると、店内でお酒をいただく流れを教えてくださいました。平興商店は酒屋さんでありながら店内でお酒を楽しめる角打ちが可能です。盛岡では角打ちのことを「もっきり」と呼ぶんだって。

「平興商店」に入ると、看板猫のミミちゃんがお出迎え。

郷にいれば郷に従え。わたしももっきりを楽しみます。この日は平日で、平興商店は朝から営業していました。わたしは15時過ぎに訪れましたが、さすがに他にお客さんはいません。この時間からガッツリいくのもなぁと思い、ビールで喉を潤すことに。

「平興商店」は酒屋さんなので、冷蔵庫から好きなお酒を取り、支払いを済ませる。

1杯目は岩手のクラフトビール、銀河高原ビールのペールエール(288円)をチョイス。缶のままグビッといこうかと思ったら、縫い物をしていたお母さんがグラスを出してくれました。

岩手のクラフトビール、銀河高原ビールのペールエール(288円)からスタートした。

平興商店のもっきりは立ち飲みスタイルではなく、お店の奥にあるテーブル席に座ることができます。それだけ腰を据えて飲んでいいということでしょうか。張り紙びっしりの食器棚は、生活感があります。この雰囲気、おばあちゃん家みたいで妙に落ち着くなぁ。

「平興商店」の角打ちスペース。実家感が落ち着く。

銀河高原ビールを飲み干す前に、次のお酒を探します。店内のいたるところに、菊の司という酒造メーカーのお酒が並んでいました。こちらは常温で並んでいるので、火入れした日本酒なのかな。

「平興商店」には日本酒がいっぱい並んでいる。

冷蔵庫にもびっしりと菊の司のお酒が。こちらは生酒なんだろうな。この菊の司、平興商店の目の前にある酒蔵なのです。

冷蔵庫にも冷やされた日本酒が並んでいた。

菊の司酒造は15代続く酒蔵で、創業は1772年だそうです。実は菊の司と平興商店は、親戚筋なんだって。だから酒蔵の目の前に酒屋さんがあるんですね。出荷量の7割以上を地元・岩手で消費している菊の司ですが、最近は首都圏の酒屋さんに並んでいたり、海外輸出にもチャレンジしているんだって。歴史のある酒蔵なのにアグレッシブ!

「平興商店」の目の前にある造り酒屋「菊の司酒造」は、親戚筋だそうだ。

盛岡滞在するにあたり、いろいろ調べて菊の司の日本酒を知りました。250年近く続く酒蔵の酒を飲んでみたいと思い、酒蔵の目の前にあるもっきり屋さん・平興商店を訪れたのです。さあ、念願の菊の司との初顔合わせ、12種類もの銘柄があるので悩みました。コップ1杯の価格で、それぞれ200〜450円と手が出しやすい価格です。しかし、これだけのお酒を全て試すと潰れてしまうので、お店の娘さんにオススメを伺うことに。

「平興商店」で販売している菊の司の価格表。

まずは、純米生原酒 菊の司 亀の尾仕込(コップで330円)をオススメされました。黄色味がかった液色で、酸味ほんのりのフルーティー。めちゃくちゃウマい。飲みごたえは軽いけれど、旨味がしっかり感じられて、一口ごとに満足感があります。幻の酒米「亀の尾」を使った無濾過生原酒だそうです。いやー、驚いた。こんなにおいしい日本酒だとは!菊の司、すごくいい!

菊の司・亀の尾仕込(もっきりで330円)はフルーティーでほんのり酸味。とてもウマい。

亀の尾仕込のウマさに驚き、初めて飲む菊の司に期待感が増します。この後も日本酒が捗りそうなので、お腹におつまみを入れることにしました。看板猫のミミちゃんに見守られながらどれにしようか選びます。レジ前に乾物や缶詰が並んでいるので、キャッシュオンで支払います。

乾き物のおつまみ類はレジ前に並ぶ。

ふと見上げると、おつまみメニューが掲げられていました。生きゅうり、豆腐、おでん、味噌でんがく... おや、乾物以外もあるようです。

おつまみ類は、生きゅうりや豆腐、おでん、せんべい、チーズ、ソーセージなどがある。

豆腐(80円)ときゅうり(50円)を出してもらいました。おつまみの価格が二桁だなんて、時が昭和のまま止まっている!きゅうり+味噌で亀の尾仕込みをいただくと、酸味がすっと消えフルーティー感だけ残ります。お酒は食べ合わせも楽しいわぁ。

豆腐(80円)ときゅうり(50円)を購入した。日本酒によく合う。

酒屋さんの店先でもっきりしているわけですから、お手洗いなんてないだろうと思い込んで居たのですが、店奥のトイレを貸してもらえるそうです。さらに安心して飲めることを確信。

お店の奥は住居スペース。お手洗いをお借りできる。

お手洗いから戻り、2杯目の日本酒をトクトクと注いでもらいます。

菊の司の日本酒をもっきりで飲みまくる。

菊の司・平井六右衛門の生酒(コップで330円)です。これは次期16代目が立ち上げた新しいブランドで、菊の司酒造の創業者の名前をつけたお酒です。ジューシーでフルーティー、そして柔らかな酸味もあります。これもウマかった!

菊の司・平井六右衛門の生酒(もっきりで330円)、ジューシーでフルーティー。柔らかな酸味も。

お酒がすすみ、わたしもだいぶ饒舌になってきました。このあたりでお店のお母さんの浅漬けをサービスしてもらいました。これがまた日本酒に合うのです。

「平興商店」のお母さんのお漬物をサービスしてもらった。

日が暮れはじめ、地元のお客さんが集まって来ました。こんなにおいしいお酒を毎日安く飲めるなんて、盛岡の人が羨ましい。最後に利き酒でシメました。この利き酒、どのお酒でもおちょこ1杯100円なのです。いろんなお酒を少しずつ試すなら、これが一番オススメです。

「平興商店」では利き酒(おちょこサイズで100円)も試せる。

そうそう。店内に貼られていた「つもり違い十ヶ条」が目に入りました。グサグサささる内容で酔いが少しだけ覚め、おかげで宿泊先のホテルにしっかり向かうことができました。

酔った頭にも「つもり違い十ヶ条」が刺さった。さすが平興学校だ。

とうことで、盛岡にある角打ち(もっきり)屋さんの「平興商店」に行ってきました。岩手の日本酒がこれほどおいしいなんて!20年ぶりに訪れた盛岡は、想像以上においしい街だったなぁ。菊の司の日本酒が素晴らしく好みで、今回訪れて心底よかったです。平興商店のお母さんの柔らかく癒される雰囲気にも癒されました。もっきりを楽しみながら、日本酒が好きな実家のおとんに4合瓶を2本、クール便で発送しました。冷蔵便って送料が高いけれど、おいしい状態で届けることができたので大満足です。平興商店でもっきりを楽しめて、ものすごく満足しています。またいつか訪れたい!
終わり。

住所:〒020-0885 岩手県盛岡市紺屋町6−2

(*・ω・)つ 岩手食べ歩き情報もどうぞー♩

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ユッキー@毎日ビール

沖縄移住10年のブロガーによる、定番グルメからローカル店まで沖縄情報。国内外の旅グルメ・ビアバーめぐりの情報も。クラフトビール歴は16年、ブログ歴12年、カーチャン歴7年。

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