九州南部の旅、3日目は宮崎県に滞在しました。大きな市街地ではなく、山間にある東諸県郡綾町での滞在です。この街には雲海酒造の直営宿「酒泉の杜 綾陽亭(りょうようてい)」があり、水曜どうでしょうファンにとって聖地とも言うべき場所なのです(原付西日本制覇でミスターや大泉洋たちが宿泊した)。今回の旅でいくつかの宿に滞在しましたが、酒泉の杜 綾陽亭は最も素晴らしいホスピタリティと宿施設でした。ということで、さっそくレポート行ってみよ〜!
雲海酒造直営の宿「酒泉の杜 綾陽亭」に宿泊してきた。
どこにあるの?アクセスは?
酒泉の杜 綾陽亭の場所。
酒泉の杜 綾陽亭は、宮崎市内から25kmほど離れた綾町にあります。背中に山を背負っているような立地です。九州を車で走ったことがなかった我が家は、畑と山に囲まれた道を通りながら「こんな場所に雲海酒造の工場や宿があるのだろうか...」と若干の不安を感じつつ、遠目にもわかるほど大きな施設が見えた時「あー、アレだ!デカい!」と妙に安心したものです。施設の周辺には商業施設がなく、コンビニや居酒屋を訪れる場合は2.5km以上離れた綾町役場周辺まで移動しなければなりません。滞在中あちこち出回るのは非効率な立地であることから、全て整えた状態でチェックインすることが望ましいと思います。
アクセス方法。
酒泉の杜 綾陽亭はその立地から車以外での行き来が難しいと思います。調べたところ宮崎市内の宮交シティ(3番乗り場)や宮崎駅(2番乗り場)から酒泉の杜行きの路線バスが走っているようですが、1時間に1本程度しかなく不便に思います。宿泊施設の送迎シャトルバスもなさそうですし、であれば自家用車やレンタカーでの移動が最も便利かな。Googleマップによると、宮崎空港からおよそ40km(車で40分程度)、鹿児島空港からおよそ100km(車で1時間半)、福岡空港からはおよそ270km(車で3時間半)とのことです。我が家は車で到着した際、駐車場スタッフに名前を確認された後、宿泊者専用駐車場に案内されました。
この酒泉の杜 綾陽亭について調べるうちに、九州のサイズ感を理解し始めました。九州デカいわ〜!移動にも時間がかかるので、余裕を持って向かいましょう。我が家は予定より遅く到着してしまい、予定していた工場見学に間に合いませんでした。残念。
チェックイン/チェックアウトの時間
酒泉の杜 綾陽亭のチェックイン・チェックアウト時間を書いておきます。フルで滞在しても、1泊あたり最長18時間の滞在です。24時間滞在が可能なホテルがある中で、最長18時間というのは、そんなに長くはありません。しかもホスピタリティを様々な設備を備えた宿ですから、できれば2泊以上滞在したいところ。慌ただしい毎日を忘れてゆっくりしたいなぁと何度も思いました。
チェックイン | 16時から |
チェックアウト | 10時 |
フロントやロビーなどの共用設備。
フロント付近
酒泉の杜 綾陽亭に到着し、エントランス前に車をつけて荷物を下ろしていたところ、ホテルの方が挨拶と共に荷物を運んでくださいました。沖縄のリゾートホテルではよく受けるサービスですが、和風の宿でここまでしてもらえるとは思っておらず。早くも期待以上の対応で、非常に嬉しくなりました。こちらでチェックインを済ませ、館内案内を聞いて客室に移動します。
ロビーの休憩スペース
フロント隣には広々としたロビーがありました。老若男女がゆっくりと過ごしてしたり、テレビ画面からは雲海酒造のCMが流れていたり。雲海酒造のイメージキャラクターは、吉田羊なんですね。知らなかったけれど、いいチョイスだなと思いました。
裏庭の大きな池
ロビーの先には大きな池を有した裏庭が。めちゃくちゃいい環境。風情も余裕も感じるなぁ。
裏庭にはこども向けの遊び場などはなく、菩薩像的なものがありました。こういった要素から、酒泉の杜 綾陽亭は大人向けの落ち着いた宿なのだと思います。
その他、酒泉の杜の施設と営業時間。
酒泉の杜には宿泊施設だけでなく、様々な商業施設・工場があります。焼酎や日本酒の造り蔵である「綾蔵」、雲海ワインのワイナリー「雲海葡萄醸造所」、酒造りを見学できる「綾自然蔵見学館」、その他にお菓子コーナーやガラス工芸コーナーなどが敷地内にあり、言わばお酒のテーマパーク的な巨大施設となっているわけです。小さな綾町において、ここまでの施設があるとは。町の中心施設なのでしょう。
これらの設備は、遅い時間までは営業していません。工場の営業時間は9:30~16:30だし、工場見学は最終が15:00の回となっています。工場見学の後に無料試飲も行なっているのですが、わりと早い時間に終了してしまうので、その後はレストランで飲食がスマートかなと思います。ただ、レストランも早くて15時、遅くとも17時に閉店です。いやー困った。周辺に何もない立地なのに、レストランが17時閉店って。我が家のように一泊朝食付きで滞在するのは割と無謀なので、宿泊の際は夕食をつけた方が無難です。我が家の夕飯および朝食の様子は、また別途まとめたいと思います。
離れの客室。
離れに向かう通路
酒泉の杜 綾陽亭の客室は、本館の和室、本館裏手にある和洋の離れ(平屋タイプとメゾネットタイプ)、そして本館3階にある特別室です。本館の裏手の離れに向かう通路を通り、客室に向かいます。しっかりと雨除けの屋根があるので、どんな天候でも大丈夫。舗装もされているので、車椅子やベビーカーを押しても移動できます。フロントから客室に向かう間、案内スタッフの方が荷物を持って誘導してくれました。ひとつひとつのサービスにホスピタリティを感じて、まだお部屋に入る前なのに、素晴らしい宿に滞在できることが嬉しかったです。
我々が予約したのは505 桐という客室。滞在する3〜4ヶ月前のことでしたが、ご主人サマー曰く「この日程では離れしか空いていなかった」とのこと。ありがたく滞在記を書かせてもらいます。
玄関付近
写真を撮り忘れてしまったのですが、玄関前には畳まないベビーカー2台は置けるスペースがありました。引き戸なので開け閉めの邪魔にもならず、日本家屋は合理的で素晴らしいと改めて感じます。玄関に入ればここもまた広々と、4畳はあろうかという空間です。館内移動で履くための雪駄が大人用・こども用それぞれ用意されていました。
洋風のリビングと素晴らしい裏庭
客室に入ると、お子サマーが興奮して駆け出しました。こんなに大きなお家!入ってすぐ洋風のリビングがあります。企業の応接間にありそうなソファーが設置され、ライティングデスクもあります。絨毯やソファーは清潔に保たれていますし、天井も高くて、とにかく広くて居心地が良い!
広く感じる理由の一つが、縁側に面した窓の高さと、その先に広がる裏庭です。縁側には下駄があり、裏庭に出られるようになっていました。
裏庭は整えられ、日本を感じる風情ある佇まいとなっています。このまま何時間でもこの風景を眺めていられるわ... 沖縄移住から5年、知らず知らずのうちに日本の風景に飢えていたのだなぁ。心洗われる思いでした。
10畳の和室と、3畳の次の間
客間に戻ります。こちらは10畳の和室です。テレビや壺や花瓶、掛け軸が飾られた床の間があり、お子サマーがイタズラしないかヒヤヒヤ。座卓にはこども用のイスをセットしてもらえました。
・・・が、お子サマー的には、こちらの隠れ書斎的な場所が気に入った模様。わたしもここがお気に入り。血は争えない。
17時過ぎまで客室を離れ、戻ってきてからお布団の用意をお願い。内線すると中居さんがやってきて、敷布団を和室に2組敷いてもらいました。掛け布団がふかふかで、お子サマーがダイビングしまくり。騒いでも周囲の滞在客に迷惑をかけずにいられるのが、離れのよいところですね。
中居さんがお部屋を出る前にお手紙を手渡してくださいました。毎日何枚も書かれるであろう、手書きのお手紙です。色々とお忙しいでしょうに、本当にありがたい。
サービスドリンクと冷蔵庫にある雲海酒造のお酒
時間にして20時頃だったでしょうか、フロントから内線がかかってきました。「お休みのところ失礼します。冷蔵庫に雲海麦酒醸造所の地ビールが冷えております。お客様1名様に1本、地ビールをサービスいたします。ぜひお楽しみください」といった案内でした。冷蔵庫を確認すると、雲海酒造のお酒類がズラリ。クラフトビールに雲海ワイン、日本酒、ソフトドリンク類、そして冷蔵庫下の棚には芋焼酎やそば焼酎がありました。
雲海麦酒醸造所のビールはピルスナー、ケルシュ、アルト、黒、ストロングエール10がありました。地方のクラフトビールはお土産ビールと揶揄されがちで、こういう場合はポーターやスタウトなら外さないという経験則なのですが、サービスなので外しても構わないと冒険。わたしはストロングエール10を、ご主人サマーはケルシュをいただきました。アルコール度数10%のストロングエール、やっぱちょっとアレでした。サービスなので良しとします。
ちなみに、冷蔵庫のクラフトビールはケルシュとストロングエール10だけが賞味期限が近いものとなっていました。おそらくピルスナー・アルト・黒は回転がそこそこよく、ボトルの入れ替えが多い=賞味期限が長い、のだと想像します。酒泉の杜 綾陽亭に滞在する層にはケルシュもストロングエールも耳馴染みないビアスタイルでしょうから、サービスとしてもあまり選ばれないだろうなぁ。クラフトビールは鮮度が命という側面もあります。飲む前に賞味期限を確認し、醸造されたばかり(=賞味期限が一番長い表示)を選ぶのも良い手段かと思います。
大きな檜風呂が嬉しい!
離れのお風呂場は、広々とした檜風呂!お風呂から裏庭を眺められる設計になっています。このお風呂、水曜どうでしょうでみたことある人も多いはず!(当時と比べると、若干リノベして様子が若干異なるかもしれません)
お風呂場に入ってみると、すのこを敷かれた床が印象的でした。冬場でもひんやり冷たさを感じることはなさそうだし、すのこの下にお湯が流れていくので、なんとなく清潔的にも思います。
洗い場には高さの異なる椅子がありました。子連れのため、こどもが使えるサイズをセッティングしてくださったようです。シャンプー・コンディショナー・ボディーソープもあります。
檜風呂の蓋を持ち上げると、既にお湯が張られていました。熱々のお湯ではないので、ある程度熱いお湯を加えてから入ればいいかなという感じ。
ということで、早速家族3人で水入らず。大きな大きなお風呂にお子サマーは大はしゃぎでした。
水回り(トイレ・洗面台)とアメニティ類
水回りはお風呂場の近くに集められています。こちらは洗面台。幅広設計で、横に荷物を置けるので使いやすいです。
アメニティ類が豊富で、驚きました。石鹸や歯磨きセット、カミソリ、くし、ヘアターバン、レディースセット(綿棒・コットン)、洗顔フォームあたりはよく見かけますが、クレンジング・化粧水・乳液のセットやヘアトニック・ヘアリキッド・アフターシェーブローションのセットがあるお宿は初めて。これにはちょっと驚いたし、非常によいサービスですよね。
こちらは館内着にも使える浴衣です。大人用が2つに、こども用がサイズ違いで2つありました。ここでも驚いたのが、足袋ソックスがあったこと。GW時期に利用したのですが、この日はまだ寒さが残っていて、足袋ソックスに助けられました。雪駄を履いて館内を歩くときにも便利だし、ちょっとした心遣いが嬉しかった。
お手洗いも広々。温水洗浄機能付きのトイレで、トイレ専用のヒーターも完備でした。この広さなら介助が必要な方と宿泊しに来ても、おそらく平気そうだなと思ったことを記載しておきます。
雲海酒造のお酒が飲み放題!売店・杜の酒蔵の無料試飲サービスがスゴい。
ご主人サマーが楽しみにしていたのは、宿泊施設に併設された売店・杜の酒蔵。何をそんなに買い込むの?と思ったら、購入はもちろん、雲海酒造のお酒を試飲し放題というわけ。そりゃ〜先陣切って試飲に向かうでしょうねぇ。売店に到着すると、人・人・人。宿泊客ばかりと思ったら、どうも違うようです。酒泉の杜にある温泉や商業施設を訪れたお客さんも、ここで無料で試飲しまくっているのです。
売店の入り口には焼酎やウイスキー、リキュール類がどーんと置かれています。那由多の刻もあるし、大河の一滴もあります。そのまま飲むもよし、氷を入れてロックもよし。おじさん二人が「全部飲んだ」といい気分で話していたのが印象的でした。
酒泉の杜でしか販売していないブランデー、おいしくいただきました。試飲カップも使い放題なので、別のお酒を飲むときには気軽に捨てて新調できます。
こちらは雲海ワインの試飲マシン。雲海って焼酎類だけでなく、ワインも造っているんですね。知らなかった!
デラウェアやキャンベルアーリー、マスカットベーリーA、どれもおいしかったです。
この日は試飲コーナーになかったけれど、限定ワインも販売していたなぁ。
このコーナー一帯も酒泉の杜でしか購入できない限定商品だそです。
雲海酒造では日本酒も造っています。こちらは生酒なのかな、要冷蔵の日本酒が並んだコーナー。
要冷蔵ではない日本酒があったので、実家のおとんに送りました。
雲海麦酒醸造所のビールももちろん販売していました。定番のピルスナー、ケルシュ、アルト、黒、ストロングエール10に加え、そばや柑橘類を使った限定ビールがありました。
その他、お菓子やお土産品なども売られています。
綾町の特産品コーナーもありましたが、圧倒的に人が集まっているのは試飲コーナーです。
酒粕を見かけて、ゴカルナの酒粕カレーを思い出したのですが、要冷蔵だろうし持ち帰れないなぁと断念。この後、また試飲コーナーに戻ってワインをいただきました。
「綾温泉 照葉の湯」は宿泊客も日帰り客も入浴できる。
酒泉の杜は複合施設になっていて、温泉施設を併設しています。
日帰り入浴することもできるし、もちろん宿泊客も入浴可能です。温泉もあれば、酒蔵らしい酒風呂、薬湯風呂、電気風呂やサウナ、そして露天風呂もありました。休憩所もあるので、入浴と休憩を繰り返して入ることもできそうです。
日帰り入浴の利用時間があるため、宿泊客専用の利用時間は決まっています。宿泊客の利用時間は、部屋からタオルを持たずに訪れても利用ができました。金額や時間などは以下の通り。この表は2019年5月末時点の情報なので、最新情報は必ず施設に問い合わせまたは現地にてご確認を。
日帰り入浴 | 入浴時間 | 11:00~16:30(最終受付15:30) |
定休日 | 毎月第4木曜日 | |
料金 | 大人(中学生以上):800円 | |
小学生:400円 | ||
3歳以上:300円 | ||
その他 | タオルの有料貸出サービスあり | |
宿泊客 | 入浴時間 | 17:00~22:00、6:30~8:00 |
その他 | タオルは無料で利用可能 |
まとめ。
ということで、宮崎県は綾町にある雲海酒造の直営宿「酒泉の杜 綾陽亭(りょうようてい)」に宿泊してきました。離れのお部屋に1泊朝食付きプランで滞在しました。お部屋の大きさ・立派な檜風呂・スタッフ全員のホピタリティの高さ・無料試飲し放題の売店に感動です。幼いこどもに合わせてフレキシブルに対応することが多い我が家は夕食をつけない判断だったのですが、施設内のレストランが早々に閉店してしまったため、夕食はつけた方がよかったかも。この点については施設側からも数回問い合わせがあり、確認に確認を重ねてもらった点でもありました。周辺環境を理解しておらず、現地を訪れて初めて「まわりに何もない!」と知った時には時すでに遅し。酒泉の杜 綾陽亭内でゆっくり過ごすのがこの施設の利用方法だと思うので、普段はホテルディナーなどつけない人も酒泉の杜 綾陽亭での夕食をオススメします。
終わり。
住所:〒880-1303 宮崎県東諸県郡綾町郡綾町南俣1800-19
(*・ω・)つ 宮崎食べ歩き情報もどうぞー♩