円錐カルストでアウトドアが楽しめる「KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)」へ行ってきました。カルストとは亜熱帯地域や熱帯地域などの高温多湿な気候条件下で見られる地形のこと。このキャンプ場がある沖縄県本部町では、石灰岩質の山が降雨によって円錐状に溶け残った結果、国内唯一の円錐カルスト地形となったそうです。ということで、珍しい円錐カルストの麓でキャンプしてきたレビュー、行ってみよ〜!
「KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)」に行ってきた
どこにあるの?
KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)は沖縄本島北部の本部町にあります。ここまで那覇から80キロメートル、時間にして1時間30分ほど離れた場所です。しかも海辺ではなく山間部でのキャンプ場でということで、沖縄の新たな魅力発見だぞと訪れました。このあたりにはおいしい沖縄そば屋さんが多く、また冬場はみかんの産地でもありますが、それ以上の本部町のことは意外と知らないものですね(という認識自体も新しい発見でした)。
受付の様子
敷地に入り、少し進むと看板と受付があります。付近の駐車場に車を停め、まずは受付と支払いを済ませました。同時に注意事項などを伺います。当初はフリーサイトでの予約でしたが、+500円を支払い、オートサイトに当日変更をさせてもらいました。このフリーサイトとオートサイトの違いは車をキャンプサイトまで乗り入れられるかどうかの差で、いずれにしろサイトに電源はありません。
チェックイン/チェックアウト
チェックインとチェックアウトの時間です。沖縄県内にある他のキャンプ場施設と比べると、1泊23時間滞在は長めでしょうか。設営と撤収を考えると1時間でも長い方が嬉しいので、23時間滞在はありがたいです。
チェックイン | 12時 |
チェックアウト | 11時 |
サイト料金・施設使用料
KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)の料金表です。
利用料を表にしてみましょう。
会員登録料 | 初回登録費(代表者1名) | 500円 |
施設利用料 | 大人(中学生以上) | 800円 |
子ども(4歳以上) | 500円 | |
ペット(リード必須) | 500円 | |
区画利用料 | フリーサイト | 2500円 |
オートサイト | 3000円 | |
ブッシュクラフトエリア | 700円 | |
多目的スペース | 5000円〜 |
このキャンプ場はグループ代表者の会員登録(500円/年)が必要で、利用人数ごとに施設利用料(中学生以上800円、4歳以上500円、ペット500円)がかかり、またキャンプサイトの区画利用料(フリーサイト2500円、オートサイト3000円、ブッシュクラフトエリア700円)が発生します。こちらは2021年1月時点の写真なので、変更となっている可能性があります。現地で直接確認するか、ご自身で必ず問い合わせをしてください。
販売品・レンタル品
こぢんまりとしたキャンプ場だろうと思い一切期待していなかった販売品やレンタル品ですが、実はしっかりとご用意があるみたいです。キャンプ道具を一式揃えてしまったのであまり活用の機会もないけれど、薪やゴミ袋の販売は嬉しいなぁ。しかもゴミ袋をは燃えるゴミの場合のみ回収してもらえるんだとか。こちらは2021年1月時点の写真なので、変更となっている可能性があります。現地で直接確認するか、ご自身で必ず問い合わせをしてください。
販売 | 薪 | 1000円 | 焚き火シート | 2500円 |
ゴミ袋 | 大500円 | 氷 | 小300円、大500円 | |
レンタル | テント | S(ソロ)2000円 | M(2〜3人)3000円 | L(4〜5人)5000円 |
焚火台 | 800円 | 調理器具セット | 2000円 | |
コット | 1500円 | クーラーBOX | 1000円 |
利用上の注意事項
KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)は非日常な景観を楽しめる素晴らしいキャンプ場です。反面、大きな岩が不安定に積み重なった場所や崖もあり、安全性が確保されていないキャンプ場でもあります。そして、こちらはご夫婦が理想を目指して一生懸命開墾したキャンプ場ですから、そういった背景から守るべきルールも多く、それ故キッズ連れのファミリーには滞在しにくい、大人向けの遊び場だと実感しました。取捨選択は施設側にも利用客側にもあるべしと思うので、それはそれで全然ウェルカムです。
小難しいことを冒頭に持ってきましたが、とても大事なことなので臆せずに書いてみましょう。こちらは予約時にわたしが気にした点を抜粋しただけなので、詳細はキャンプ場で必ずご確認ください。
受付時の同意確認
- 施設内・駐車場内はきれいに使用する
- 共用部分(炊事場、トイレ、駐車場等)は利用者同士で譲り合う
- 炊事場での生ゴミの処理には十分注意する
- 食器洗剤は当キャンプ場に備え付けのものを利用する
- 夜10時以降は就寝者優先時間
- 発動発電機は利用NG
- アンプを利用しない楽器等に限り夜9時までは演奏可
- 音楽機器は半径5m以内で聞こえる音量のみ使用可。夜10時以降はNG
- 花火は一切禁止
- 直火は一切禁止。焚火台と焚き火シートを利用すること
- 炭や燃えかす等は消化後に指定の炭捨て場に捨てるか持ち帰ること
- 樹木を傷つけたり、みだりに植物を採取する行為は禁止
- 石を無断で動かしたり、持ち帰る行為は禁止
- ご利用区画は必ず原状回復すること など(最新情報はチェックイン時に必ずご確認ください)
キャンプサイト全体の様子
フリーサイト/オートサイト
フリーサイトの区画は5メートル四方。しっかりと仕切られるわけでもなく、利用者同士の良識でうまく使っているような、そんな雰囲気でした。ちなみにフリーサイトとオートサイトの違いは車を乗り入れるかどうかの違いで、サイトに大きな違いはなさそうでした。
足元は小石が敷き詰められています。KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)はコットでの就寝を推奨しているキャンプ場で、それはこの小石に理由がありそうです。雨が降っても泥のぬかるみが少ない反面、テントを畳んでいる時に小石でフライシートに穴が開くというおまけがありました。テントはガッツリ使って買い替えるものという発想なので、多少穴が開いても全然OK。
フリーサイトは崖側と中程・高台に分かれています。この写真はメインエリアの中央付近。
こちらは崖側。子ども連れに一番おすすめしたくない場所です。なんせおまけ程度の仕切りしかなく、もっとも危険そうに見えるんですもの。これは怖すぎる。だけど良識の範囲で利用できる大人ならば、景色が最高だと思います。最高に絶景だよ〜。
真横の円錐カルストを飾るイルミネーションは期間限定なのでしょうか。
ブッシュクラフトエリア
ブッシュクラフトエリアをご存知ですか。自然と調和しながら生活するように滞在を楽しむキャンプスタイルだそうです。KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)のブッシュクラフトエリアは、木の生い茂った手付かずの森のようだったり、人が足を踏み入れにくい静かな場所だったりとシーンを分けているようでした。
例えばこんな場所。このエリアはソロテントのみの利用らしく、2名で訪れても1名ずつのソロテントを設置する必要があるそうです。気軽に立ち入れない雰囲気で、静かにキャンプするにはちょうどいいなぁと思いました。
フリーサイトから眺めるブッシュクラフトエリア。キャンプ慣れしたみなさんが数名グループで訪れていました。いいなぁ。ここでファミリーキャンプは難しいと思うけれど、いつかソロテントで体験してみたい。
共用設備
洗い場
洗い場はメインエリアにあります。少し高いところにあるので、見晴らしがよいです。こちらでは生ゴミを排水溝に流すことなく、また食器洗剤は備え付けのものを使用しましょう。
こちらではBBQコンロや焚火台の洗浄はNGです。
炭捨て場
炭や灰の捨て場が用意されています。看板が出ているようにゴミを捨てはいけません。
直火OKの焚火釜
焚火釜は直火で利用できるそうです。施設全体に7箇所、しかも無料でできる場所もあるそうです。詳しくはチェクイン時にご確認を。
トイレ
シックなカラーにまとめられたトイレ。中にスリッパが用意されていました。土足NGです。
水洗トイレが用意されているとは思わず、しかも灯りはランタン!これまで訪れたキャンプ場で最もかっこいいトイレでした。
シャワー室
2021年4月末時点で温水シャワーが1機利用できるようになったそうです。1回5分、料金は500円とのこと。これから汗をかく季節ですから、とってもありがたいですね!
ルールを守ってペット同伴
ここは数少ないペットOKのキャンプ場です。ルールを守って滞在を楽しみましょう。
施設からの通知に下記の注意がありました。ペットは犬のみOK。おかげでお犬サマーと一緒にキャンプへ行けました。わたしが滞在した時の注意事項から更新があるかもしれないので、予約時にご自身で必ずお問い合わせください。
ペット連れ滞在時の注意
- 他の方に恐怖感を与える犬(闘犬など)は利用NG
- 基本的なしつけがされている犬のみ同伴可
- 猫やその他の動物は不可
- 放し飼いは一切禁止。必ずリードを着けること
- 無駄吠えさせない
- ペットをおきざりにしない
- 排泄物は飼い主が責任を持って持ち帰ること など(最新情報はチェックイン時に必ずご確認ください)
我が家のキャンプレポート
設営の様子
この日、KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)でキャンプするために鍛造ペグを20本仕入れて訪れました。一般的なペグでは打ち込めないだろうと急遽購入したものですが、これがめっちゃスゴくって!簡単に打ち込める心強い相棒でした。相棒といえば、今回はブロガー仲間でアウトドアの先輩のKawaさんをお誘いしての滞在でした。
天候の思わしくない日だったので、日が暮れるのも心なしか早く...
夜になるとお隣にある円錐カルストの頂上からイルミが点灯し...
テントのペグにも蛍光ブレスレットをセットして。足元の危険を少しでも回避します。
夜ごはん
夜ごはんはキャンプ時のお供になりつつある読谷あぶさんの焼肉セット。主にラム肉です。このボリュームで5〜6パックで3000円とか。めっちゃ安い。しかもウマい。
肉を焼く仕事は、いつも男性陣にお願いしたいものです。
焼けた肉をアウトドアスパイスでいただきます。この日はトップバリュ醤油が香るブレンドスパイス、ほりにし、黒瀬スパイスの3点セット。kawaさんがもってきてくれたヤーツ。
塩トマトにラム肉、Kawaさんの味玉。どれも最高のおつまみ。
焚き火レシピもお披露目です。丸いのはアルミ箔で三重に巻いた北海道産タマネギ。焼き上げとろんを目指します。
Kawaさんが仕込んできてくれた低音調理の鴨のロースト。ウマかった!
こちらもKawaさんが作ってくれたポテトフライ。メスティンで作れるとは!しかもめっちゃウマかった!油の処理まで完璧でした。今度マネしてみよ〜。
さーらーにーKawaさんお手製のクラムチャウダー。寒い夜だったので、これも最高においしかった!
こちらはお犬サマーのごはん。シェラカップにお水を入れ、シングルバーナーで加熱して出来上がり。ちょっと冷えたら食べさせます。
すっかり日が暮れた頃。雨が強くなってきました。Kawaさんのコンパクトなタープで5人はいっぱいいっぱい。
お犬サマーも震える寒さ。毛布にくるまってウトウトし始めました。
一方のお子サマーは走り回ることもなく、タブレットにご執心。安全を保つためのルールが多い大人向けのキャンプ場だったし、これはこれで天候に感謝。
就寝後のひとり時間
22時頃、ご主人サマーが先に寝ました。お子サマーは楽しげに遊んでいます。
数分後、お子サマーが寝ました。もちろんお犬サマーもスヤァ。
対するわたし、ここぞとばかりに夜更かしです。テントの入り口に座り、雨音を聞きながらスマホ片手にビールをグビリ。
深夜、雨風で飛んだタープを回収
そうこうしていると0時頃に雨音と風が強くなり、バタン!バタバタ!という音が聞こえました。すぐに「あ、タープのペグが飛んだな」と理解。耳に入ったら仕方がない。ザーッという雨音は聞こえるし、カッパもないけれど、これもまたキャンプの醍醐味とひとり、タープ回収に向かいます。コンパクトサイズのタープだったのが幸いして、サクッと回収できました。とはいえビショ濡れ。ビールを飲んでビショビショのまま寝袋へ。
なかなかの体験だったけど、全然苦ではなかったなぁ。これこそアウトドアの醍醐味だし、いい経験をしたなぁと思ったんです。寒い・ツラいというネガティブな気持ちよりも、むしろめっちゃ楽しかった。翌朝きっと誰も理解してくれないと思うけど、それでいいんです。笑
さらに、このタープ回収の数時間後、ご主人サマーがコットから立ち上がりボーッとしていました。声をかけると「寒くて眠れない」と。温かい空気が上に上がるから立った方がいいとか明らかに様子がおかしいので、わたしの布団を貸してねかせました。家を出るときにタオルケットを持つよう言ったのに「俺はなくても平気」、さらには「寝袋はいらない」と強がるから...(これで「キャンプは寝れないから行きたくない」と主張するのはおかしい)。タープ回収でビッチャビチャのわたしの方がよっぽど寒かったと思うけど、なんすかね全く!笑
朝ごはん
明けない夜はない。この日も無事に朝が来ました。また雨が降りそうだったのでテントにテーブルを持ち込み、20ミリと厚めのヨガマットを敷いて朝食です。ホットサンドは寝不足なご主人サマーにお願いし、わたしはコーヒーを淹れました。
この日の我が家のごはんは、ホットサンドメーカーで焼いたカレー味の肉まんと...
バターで焼き上げた普通の肉まん。シンプルで手抜きだけど、サクッと作れて便利なんです。
そしてKawaさん作のハイカロリーなホットサンド!カロリーっておいしいって再確認できたし、CHUMSのホットサンドメーカーも改めてかわいい!
手作りのアスレチック
食後にドーム型テントを撤収して、この日は解散。チェックアウトまで少し時間があったので、お子サマーと少しだけ冒険に向かいました。
フリーサイトの奥に手作りのアスレチックがあると言うのです。歩いて数分と聞きましたが、あちこち立ち寄るお子サマーと一緒だったので15分ほどかかりました。
広場に自然木で作られたアスレチック。中には小学生でも難しそうな遊具があって、なかなか楽しそうです。
お子サマーも夢中で遊んでいました。子ども連れでも楽しめる場所であって欲しいなぁ。
足元危うしな展望台
戻る時に、人口的に設置された赤い印が気になりました。足元は道のようになっています。
木がしげる方向に進むと、上へと登れるような階段...?気を付けながらもぐんぐん進みましたが、お子サマーが途中で「こわい」と言うので、登頂寸前で降りることに。この先には展望台があったみたい。足元が悪いのでスニーカーで登りたいですね。
まとめ
ということで、沖縄県・本部町にある「KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)」へ行ってきました。安全や環境設備の観点から守るべきルールが多く、正直わんぱくな子連れ滞在はしにくいです。でも不安定な岩場が多く、安全確保のためですからルールは必要だと思いました。天気は悪いし、夜中の雨でタープは飛ぶし、ご主人サマーは寒くて眠れないし、フライシートに穴は開くし。だけど、それでもわたしはめっちゃ楽しくて、非日常の景観もよかったなぁ。
まだまだ開拓中のKARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト)です。これからの発展も気になるし、子どもがもう少し大きくなってルール遵守できるようになった頃に改めて訪れたいです。いつかソロテントを持ってブッシュクラフトも体験したい!今のわたしの環境には合わないキャンプ場だけど、またいずれ遊びに行こうと思っています。
終わり。
お店の情報
店名 | KARST CAMP SITE(カルストキャンプサイト) |
住所 | 〒905-0219 沖縄県国頭郡本部町山里1381番地 |
営業時間 | 12時〜翌11時 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | 専用駐車場あり |