盛岡「ベアレン醸造所」工場見学&ベアレンクラシックを飲んできた。

2017年12月27日

「ベアレン醸造所」ではベアレンクラシックの樽生(500円)

長いこと憧れていた「ベアレン醸造所」へ行ってきました。ベアレン醸造所があるのは盛岡で、現在生活している沖縄からだと非常に遠く、ほとんど諦めていたんです。でも、実家の函館からだと新幹線で2時間と少し。このチャンスを逃しては一生後悔する、と盛岡を訪れました。盛岡駅から30分ほど歩いて到着した「ベアレン醸造所」と工場見学の様子を書き綴っていきます。

盛岡「ベアレン醸造所」の工場へ行ってきた。

盛岡のブルワリー「ベアレン醸造所」へ行ってきた。

ベアレン醸造所の場所。

ベアレン醸造所はJR盛岡駅から3km弱、歩いて30分ほどの距離にあります。工場まで訪れたいというお客さんは、そこそこ情熱を持っていると思うので3km弱程度なら歩けるでしょうし、財力があればタクシー移動もできるはずです。わたしは盛岡を歩き回り、その土地の雰囲気や空気を肌で感じたかったので、盛岡駅からいくつか見所を経由しながら歩きました。醸造所の周りにはお寺や神社が点在し、目の前には幹線道路も走っています。このあたり、昔から要所だったんだろうなぁ。

ベアレン醸造所の敷地に入ると、大きな駐車場がありました。盛岡も車社会でしょうから、企業として駐車場が必須なんだと思います。デカデカとジョッキが描かれてるのは、おそらく来客用でしょう。

「ベアレン醸造所」の駐車場にあったジョッキ型の駐車場マーク。

工場直売所にはボトルビールやグッズが販売されている。

さあ、それではベアレン醸造所の工場直売所へ向かいましょう。

盛岡「ベアレン醸造所」の工場入り口。

入り口に入ると、まず目に入ったのは頒布会用のビール。その左奥には、ベアレン醸造所のグッズ販売コーナーがあります。

「ベアレン醸造所」に入ってすぐの様子。

ベアレングッズの数々です。Tシャツや前掛け、グラス、手ぬぐい、バッジ、社長の本などが並んでいます。社長の本をパラパラめくってみたけれど、結構面白かった!

「ベアレン醸造所」の工場で販売されていたグッズやお土産品。

こちらは、購入できるボトルビールも並んでいます。ボトルビールは定番商品の他、その時々によってシーズナルを販売しています。

「ベアレン醸造所」の工場で販売されていたベアレンのボトルビール。

頒布会やボトルビールを買った場合、私が住む沖縄までの送料がどうなるか確認しました。すると、やっぱりクール便での発送なので高い... なので、ベアレンの工場で作りたてのビールを飲んで帰ることにしました。

ちなみに、この左手に持っているグラスはテイスティングでいただいたベアレン・クラシックです。一人1杯だけ無料試飲させてもらうことができます。わたし、ベアレン・クラシックが好きなんです。盛岡駅から歩いたこともあり、喉が乾いててあっという間にグビグビ飲み干しました。ウマい。もう1杯飲みたい... でも、この後は工場見学が待っているので、とりあえず無料試飲のみで我慢です。

ベアレンに来ましたー!

ベアレン醸造所の見学を楽しむ。

平日の13時に工場見学を予約したので、この時間の見学者はわたし1人のみ。なんという贅沢な見学でしょう。広報の方に連れられて、まずは工場直売所2階へと案内されます。ここは休憩スペースもあるし、ベアレンに関する展示物もありました。

「ベアレン醸造所」の2階でもビールを飲むことができる。

ブルワリー名のベアレンというのは、ドイツ語で複数形のクマのことなんだそうです。岩手県にはクマが生息しており、ビール職人の大きくてガッチリしたイメージとクマを重ね合わせたところから、ブルワリー名がベアレンとなったそうです。

「ベアレン醸造所」工場2階にあった手書きのクマ。

2001年に創業したベアレンの沿革や企業の想いなどが展示されています。

「ベアレン醸造所」工場2階の見学コーナーにあったパネル。

ベアレンの工場が出来上がるまでの様子や、ビールを醸造する流れについても、写真付きのパネルがありました。これだけでも、かなり見応えがあります。

「ベアレン醸造所」の醸造についての説明。

ベアレンで使っているモルトやホップの展示。実際に手に取ったり香りを確認したり、ビールの原材料に触れられます。

「ベアレン醸造所」で使用しているモルトとホップの展示。

2階から仕込み室を眺められます。国内のいたるところで目にするベアレンの出荷量で、この釜とは驚きました。おそらく仕入数が膨大であろうイオンリカーにもベアレンは並んでいるんです。それだけ大きなブルワリーだと思っていたのですが、わたしが想像していたよりもはるかに小さい設備でした。

「ベアレン醸造所」の醸造設備を見学させてもらう。

ここから先は、より醸造環境に近い場所の見学です。広報の方に撮影して平気か確認したところ、「ベアレンの工場は、隠すことなく全てをオープンにしている」とのことで、工場設備も全て撮影許可をいただきました。この言葉、深い意味があったと後に気付くことになります。

さて、こちらは工場の一角にドカッと置かれたモルト袋。いくつかの銘柄を使っているようです。

「ベアレン醸造所」のモルト類。

モルト袋の近くには、昔ながらのモルトの粉砕機がありました。1900年頃にドイツで作られたビンテージもののモルトミルだそうです。現在はモーターで回るようになっているとのこと。古いと壊れやすいのでは?と思ったのですが、頑丈で作りもシンプルなので、意外と直しやすいそうです。

モルトの粉砕機。

先ほど2階から眺めた仕込み室の内部にも立ち入らせてもらえました。左側は100年前から使われていた銅製の仕込み釜。この釜もドイツから運んで来たそうです。最新設備が整ったブルワリーだと電子制御での作業も多いと思うんですが、ベアレンは昔ながらの手作業で醸造しているんだそうです。

仕込み釜と煮沸釜。

こちらはろ過釜についている蛇口。ここから麦汁を出し、ろ過のスピードや麦汁の出来を確認をするそうです。実際の作業を見てみたいなぁ。

電子制御ではなく、手で操作するらしい。

仕込み室を後にし向かったのは発酵室。ここは関係者以外立ち入りができないので、ガラス越しに眺めました。

発酵室は立ち入れないので、外から覗く。

ステンレスの発酵タンクは背が高いので、壁に取り付けられた鏡を使って発酵具合を確認するんだって。

発酵タンクの中は、壁につけられた鏡を使って確認する。

こちらは貯蔵タンク。ここで寝かされたビールを樽や瓶に詰めて市場に出回るわけです。

貯蔵タンク室。

貯蔵タンク横には謎のマシンがあって、醸造スタッフが作業していました。酵母をろ過する遠心分離装置なんだって。

遠心分離機を使って酵母を取り除きながら、ビールをタンクに詰める。

こちらはボトルビールの充填マシン。

ボトルの充填機

充填したボトルにラベル貼りをしていきます。ラベラーは使いますが、ラベルを貼る前のボトルを並べたり、貼り終わったボトルを確認・移動したりと、人の手は欠かせません。

ボトルに貼られたラベルは、手作業も含まれている。

以上が工場見学の様子です。13時から初めて13時40分頃には全て説明を聴き終わりました。この後、工場直売所へ戻って解散です。工場見学が終わったら、作りたてのビールタイムです!酔うと見学内容を忘れてしまうので、ベアレンのビールを味わうのは見学後にとっておいたんです。

お待ちかね、ベアレンのビールをいただきます!

ベアレンの工場直売所では、1人1杯のみ無料試飲をさせてもらえます。わたしは既に試飲済み。でももっと飲みたい... そこで、ベアレン・クラシックの樽生(1杯500円)を購入しました。工場直売所のタップは1つしかないそうで、無料試飲も販売しているビールも同じ銘柄、ベアレン・クラシックです。注がれたビールを受け取り、飲む場所を探します。直売所にはパブやレストランがないので、飲む場所は自由です。ビールを持って外へ出ました。

「ベアレン醸造所」ではベアレンクラシックの樽生(500円)

工場隣には大きな倉庫があって、その目の前にテラス席が設けられています。1杯目のベアレン・クラシックはこちらで飲みました。ちょうどお昼休憩中のベアレン社員さんがいたので話しかけてみることに。東日本大震災当時のことや、復興に向けてベアレンが行なってきたこと。毎年行われるベアレンのお祭りや、育休後の復職や盛岡の保育園事情までも突っ込んで教えてもらえて嬉しかったです。

ベアレンクラシックを持って、テラス席へ向かった。

もうちょっと飲みたいな、と工場直売所へ戻ってベアレン・クラシックをもう1杯。今度は2階の見学ルームへ向かいました。ベアレンではおつまみ類がありません。後から知ったのですが、食べ物類は持ち込みOKなんだって。おつまみを購入して持ち込めば、おいしいビールがますます捗りそうです。

ベアレンクラシックをおかわり。

まとめ

ということで、盛岡のブルワリー「ベアレン醸造所」の工場見学をしてきました。クラフトビールを好きになった頃、ベアレンのボトルを購入しておいしいと思ってから、ずっと訪れたかったブルワリーなのです。関東にいる時に行けばよかったと、何度も思っていました。だから今回、里帰り中に無理やりねじ込んででも行けて、心の底から満足をしています。

広報の方に撮影許可をもらった時に、「ベアレンの工場は、隠すことなく全てをオープンにしている」と言われました。これがどんな意味を持つか、工場見学時には気付いていませんでした。

ベアレンでは、過去に社員を亡くす事故が発生しています。それ自体はだいぶ前から知っていたのですが、具体的にどんな事故だったのかは、今回この記事を書き上げるにあたり、こちらの動画3つを見て初めて詳しく知りました。

何らかの原因で貯蔵タンクが壊れ、ビールが吹き出した反動で1.7トンのタンクが倒れ、壁を突き破ってしまったそうです。ビールをつくる現場でそんなことが起こっていたとは... ベアレンではこの事故を受け、安全面の強化を行なっています。調べれば調べるほど、起きてしまった事故を隠すのではなく、自戒の念を込めて、そして二度と起こさぬようしっかりと受け止めているように思いました。社名でヒットするWikipediaにもこの死亡事故は載っていますし、事故報告書だってネット上に残っています。つまり、この事故を風化させず安全対策をしっかり行っている姿を、何も隠さずに撮影していい、と。そういう意味が、あの「ベアレンの工場は、隠すことなく全てをオープンにしている」という言葉には含まれていたんだろうな、と今では思います。わたしの目には、とても真面目で血の通った企業に映りました。

ベアレンはビールの味や社風はもちろん、地域に根付いたクラフトビール屋さんとしても非常に興味があります。ベアレンでは、この工場内や盛岡周辺で行われるイベントで、飲み放題を実施しています。この価格が安くって!イベントにもよりますが、だいたい2000〜3500円で飲み放題なのです。この金額の安さに、驚きしかないでしょ!イベント時は地元の人がワイワイ楽しんでいると聞きますから、その光景を見てみたい!地域に馴染みつつ、ボトルを全国展開しているベアレンは目が離せません。工場見学をして、より一層好きになってしまいました。
終わり。

住所:〒020-0061 岩手県盛岡市北山1丁目3-31

(*・ω・)つ 岩手食べ歩き情報もどうぞー♩

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ユッキー@毎日ビール

グルメブログ歴12年、沖縄移住10年。沖縄定番グルメからローカル店まで食べ歩き情報を綴ってます。国内外のビアバーめぐりに、旅・遊びの情報も。クラフトビール歴は16年、ホップの効いたビールが好き。

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