生まれ育った函館のことを知る前に地元を離れてしまったので、もっと詳しくなろうと里帰り中はいろんな場所を巡りました。その一つが、この「トラピスト修道院」です。函館市のお隣・北斗市にあるトラピスト修道院は、カトリック修道会の厳律シトー会の修道院で、日本初の男子修道院なのだとか。今回はそんな観光スポット巡りのレポートです。
「トラピスト修道院」に行ってきた。
わたしは宗教に詳しくないので、このトラピスト修道院どれほど素晴らしく尊い場所なのかわかりません。しかし、函館土産ではかなりお世話になっていて、例えばトラピストクッキーやトラピストバターは、ここトラピスト修道院で製造されているんですよね。それ程度の前知識のまま、函館から車を走らせてトラピスト修道院の見学へ伺いました。
トラピスト修道院の場所。
トラピスト修道院は、函館駅から25kmほどの場所。函館市内を走る国道227号線(途中、228号線に切り替わる)を松前方面に向かい、ひたすら海岸線を走ります。道南いさりび鉄道の渡島当別駅を越えたあたりでトラピスト修道院の案内看板が出ていたので、それほど難しいコースではないと思います。道南いさりび鉄道を使えば車がなくても観光しに行けそうですね。
ポプラやスギの並木道。
国道228号線から道南いさりび鉄道の線路を乗り越えると、そこには800mほどのまっすぐな道路が現れます。両脇にポプラやスギが並んだ道路は、ここが日本ではないような空気感。異国のような風景に「地元にこんな場所があったなんて」と、早くも来てよかったと思ったのでした。
ポプラやスギの並木の奥には、牧草地や森林が広がっています。あいにくの天候ですが、それでもこの環境緑地保護地区は今後も大切にしてもらいたいなぁ。
駐車場に車を止めて、敷地内を歩く。
並木道を徐行しながら車を走らせ、トラピスト修道院の駐車場に到着です。駐車場は無料なので、時間を気にせずじっくり見学できそうです。
駐車場からすぐ、舗装された坂道が続いていました。奥には何やら建物が見えます。あの建物を目指して坂道を登ってみましょう。舗装されているので歩きやすい坂道です。
坂道を登りきった頂上で振り返ると、ずーっと先までまっすぐな道が続いていました。天気が良ければ道の先に海が見えるはずですが、この日はあいにくの曇り空。写真の撮れ高的には非常に残念ですが、散策しやすかったので問題ナシ。
トラピスト修道院の正門へ。
軽く息切れしながら、頂上に到着。坂道の奥にあった建物は、トラピスト修道院の正門でした。
左右対称のレンガ造りの正門に近づくと、イエスの像が飾られています。
正門は入り口の柵が固く閉ざされていて、その中に立ち入ることはできません。
柵には「MONASTERIUM BEATA MARIA VIRGINIS DE PHARO」「灯台の聖母 トラピスト修道院」という文字。英文と灯台の聖母というのが気になり、後日調べてみました。が、はっきりとわかるような文献がヒットせず。高台から津軽海峡を臨む立地にあるので、灯台に見立ててこの表現なのでしょうか... とても気になります。
柵の隙間から、奥に見えるトラピスト大修道院を撮影。左右対称で緑豊かな佇まいが美しいですね。1896年に造られた最初の建物は1903年に消失してしまい、現在の建物は1908年に再建されたものらしいです。近くの石別中学校付近からとれた粘土をレンガの材料にしているんだそうです。
ちょっと気になったのは、柵の取っ手についている犬のような頭。これは一体...?
柵の横にこんな案内がありました。修道院内の見学ってできるんだ。でも男子限定なんだなぁ。
展示室を見学する。
正門の横には、展示室がありました。展示室入り口上部にあるひとつ星。これは北海道の開拓使が使っていた五稜星なのでしょうか。それともトラピスト修道院にも五稜星の何かがあったりするのかな。
展示室の中は白を基調とした部屋になっています。写真と説明が中心でトラピスト修道院の展示が行われています。修道院内部には入れませんが、生活の一部を学ぶことができます。
こちらはいつ頃の写真かわかりませんが、私も大好きなトラピストッキーを製造している様子です。こうやってトラピスト修道院内で作られているんですね。
創立当時の白黒写真も展示されていました。
ルルドの洞窟までは徒歩30分。
正門を見学し、坂道を戻ってきたところで、「ルルドの洞窟」の看板を見つけました。駐車場付近から1.5km先、徒歩にして30分で到着するようです。
車でも行けるのでは?と走らせて見たものの、途中から車両NGとなっていました。歩こうか一瞬悩みましたが、雨がポツポツ落ちてきていること、そして熊に注意の看板にビビッてしまい、ルルドは断念。赤子を抱えて山道はちょっと怖いので、身軽な時に改めて訪れたいと思います。
敷地内にある、カトリック当別リタ協会。
こちらは1917年に創立された教会。1993年の奥尻沖地震で亀裂が入り、その2年後に再建されたそうです。奥尻沖地震は地震計がなかったため実際の震度がわからず推定で震度6と言われていますが、揺れに強い場所にある実家も相当揺れて怖かったもんなぁ。このカトリック当別リタ教会は遠目に見ただけで、我らは左隣にある売店へと向かいました。
売店でソフトクリームとお土産を購入。
夏季限定のソフトクリームがウマい!
トラピスト修道院にきたのは、夏季限定で販売されているソフトクリームを食べたかったから。この修道院で採れたミルクを使ったソフトクリームは、ここでしか食べられません。修道院の見学などは、おいしくいただくための準備運動だったのです!
売店の内部は大きく2つに分かれていて、向かって右側にソフトクリームの販売窓口があります。券売機で食券を購入して、ソフトクリームと交換します。
トラピスト修道院のソフトクリームは、味は1種類、バニラのみ。土台はコーンか紙カップから選べます。いずれも価格は350円。我々はコーンを選びました。
売店内部にはイートインスペースがないので、ソフトクリームを受け取ったら外に出ました。口にするととても滑らかで、ミルクの風味にしっかりとしたコクがあります。コーンもトラピスト修道院のオリジナルで、トラピストバターを使って作っているとのこと。ソフトクリームもコーンもウマい!
ソフトクリームには、トラピストクッキーが1枚刺さっています。トラピストクッキーでソフトクリームをすくい、頬張るとこれまたウマい。トラピストクッキーの塩気により、ソフトクリームの甘味がより際立つのです。
市場価格よりも安くクッキーやバターが販売されている。
ソフトクリームを食べた後、トラピスト修道院のお土産品をチェックするため再度売店へ向かいます。
函館土産として有名なトラピストクッキーやトラピストバター。駅や空港、函館市内のお土産ショップで購入するよりも、安い価格で販売されています。例えば、トラピストクッキーの12袋入りは一般的には735円程度ですが、この売店では684円でした。現地で購入するメリットがあるんですね。
ここだけの限定品、トラピストバター飴ミックスなんていうものあったし、
ロザリオやブレスレット、革製品なども販売されていました。
それと、これは初めて見かけたと思うんですが、無添加のトラピストジャムなんていうのもあるんですね。気になったのでルバーブとハスカップを購入してみました。ルバーブは初めて食べましたが、酸味があっておいしかったです。
トラピスト修道院の聖堂見学について。
売店にも修道院の見学についての張り紙がありました。
張り紙に書いてある見学の条件を書き出してみると、
一、男子に限ります。
一、火曜日午後二時より。
一、写真撮影はお断りします。
とのことですので、男性の皆様におかれましては、往復はがきを用いて応募されてはいかがでしょう。
トイレには、赤ちゃんのオムツ交換台も。
帰り際、駐車場横に設置されていたお手洗いに立ち寄りました。男女別のお手洗いの他、多目的トイレがありました。多目的トイレの入り口にはオムツ交換台のマークが。子連れにめっちゃありがたい!
さっそくお子サマーを連れて多目的トイレへ。まさか修道院でオムツ交換できるとは思わず、スッキリさっぱりして函館まで戻ることができました。ありがたいなぁ。考えてみると、それだけいろんな方が見学に訪れているということですね。
まとめ
ということで、北斗市三ツ石にある「トラピスト修道院」へ行ってきました。今回訪れて意外に思ったのは、修道院内の見学ができること。男性限定ではあるものの、一般人が立ち入ってOKということに驚きました。広報にも力を入れているんだなぁ。あいにくの天候で風景写真の写りはイマイチですが、おいしいソフトクリームが食べられて満足!夏場限定なので、またいつかシーズンに食べに行けるといいな。その時はクマ避けと鉢対策をしてルルドの洞窟にも行ってみたいと思います。
終わり。
住所:〒049-0283 北海道北斗市三ツ石392
(*・ω・)つ 北海道食べ歩き情報もどうぞー♩