函館市電の終着地・谷地頭を訪れました。このあたりには古くから続くお店があるのですが、気になっていたお店が閉店していたり業態を変えたりと、時代の流れによる変化を感じて、ちょいと無理やり、具体的には一緒にドライブしていたおかんに「あ、そこで下ろして」とワガママを言って一人で飲みに向かいました。それが谷地頭停留所の目の前にある「酒保古西商店」です。
酒保古西商店はお店の前に看板などが出ていません。後からお店の方に教えてもらったところ、2016年の度重なる台風上陸で、大きな看板が落ちてしまったそうです。どこにも看板はないけれど、入り口から見えた店内が角打ちっぽい雰囲気だったので、入店することにしました。
店内に入ると完全に地方のしなびた酒屋さんです。でも天井から吊られた「秋田美酒 銀鱗」や、座ってコップ酒を飲んでいるおじちゃんたちがいい味を出してます。これはすげぇぞ、期待しかありません。「ここでお酒が飲めると聞きまして」と、初心者アピールしつつお店の奥に進みます。
お店のお母さんに「飲みに来たの?」と確認されます。若手(?)でおひとりさまの一見客は珍しいとのこと。観光客のグループ一見は時々訪れるそうですが、ましてや女で単身乗り込むのはそうそういないみたい。最近角打ちが好きでしてねぇ。さて、ビールで喉を潤します。冷蔵ケースにはお店としても無理のない本数しか並んでいません。北海道限定のサッポロクラシックが目に入ったので、これを持ってカウンターへ向かいました。
まずは1杯目、サッポロクラシック(350ml、245円)をいただきます。それと、カウンター上の6Pチーズをひとついただきます。1個65円だっかな。この空間でいただくサッポロクラシックと6Pチーズの組み合わせ、やたらとウマかったです。
カウンターのお母さんと会話しながら目線を上に上げると、大層立派な木製看板がありました。上部には「優等清酒」、右には「兵庫縣灘 江井ヶ嶋酒造株式会社謹醸」、 真ん中には「日本魂」でしょうか。左には「特約店酒保 古西商店」とあります。この酒保(しゅほ)というのは、戦時中に使われていた言葉。帝国陸軍御用達の商店が酒保と呼ばれ、日用品・嗜好品などを販売していたそうです。その昔、函館山が要塞だった時代から、このお店はここにあったのですね。感慨深い...
ビール350ml缶なんてあっと今に飲み干してしまい、もうちょい飲みたいなと思ったところ、缶詰を食べている常連さんが目に入りました。ああ、これだ。角打ちのド定番をアテに、もうちょい飲もう。
ということでもう1缶、サッポロクラシックとさんまの水煮(180円)です。さんまの水煮は幼い頃から慣れ親しんだ味で、相変わらずウマかったなぁ。ボリュームがあって味も濃い目、ナイスなおつまみNo.1です。
さんまの水煮に合わせて日本酒(どれでも1杯200円)を、と思ったら。酒保古西商店には「お一人様、お酒は2つまで」というルールがあるそうな。な、なんだってー!?それを知っていたら、350ml缶ではなく500缶、もしくは大瓶のビールを購入していたのに... ああ、やっちまった!悔しいけれど、ルールはルール。ビールを飲み干してお店を後にしました。
ということで、函館は谷地頭にある「酒保古西商店」で角打ちしてきました。お店のお母さんに聞いたところ、お酒のサイズやアルコール度数に関わらず2つまでとのこと。つまりビール2つでも、カップ酒2つでも、サッポロホワイトの1.8lボトルをキープでもOKなワケです。これを最初に知っていたら、サッポロクラシックを2つ重ねることはなかった!めちゃくちゃ悔しい... これも人生経験として習得しつつ、次回はヘマせずに楽しもうと心に刻みました。戦前から続く、歴史を感じるお店なだけに、これからも谷地頭の電停前で長いこと営業してもらいたいものです。また訪れます!
終わり。
住所:〒040-0046 北海道函館市谷地頭町25-15
(*・ω・)つ 北海道食べ歩き情報もどうぞー♩