仏ヶ浦の観光船を降りた後、下北半島を立ち去る前に腹ごしらえをしようと思いました。向かったのは、佐井村の「ぬいどう食堂」です。こちらは1500円でウニ爆盛りのウニ丼が有名で、尿酸値を気にしなくていい今だからこそ食べておこうと思い立ち、佐井アルサスから18kmほどワインディングロードを走って到着しました。めちゃくちゃ山の中っぽく見えますが、お店の近くに福浦漁港があり、この界隈は海産物がおいしいとのこと。
ぬいどう食堂の店内に入ると、すぐ調理場兼レジがあります。調理場には女性が2人、テキパキと働いてます。
ぬいどう食堂のメニューはこちらです。ウニ丼にまぐろ丼、いくら丼、歌舞伎丼、海鮮丼、魚刺身定食の他、中華ざるとラーメンが2種類。意外とラーメンも気になるぞ、でもやっぱり本命のウニ丼だろう等と考えていたところ、お店の方から「お盆でウニ漁は今日まで休み。だからウニ丼はありません」と衝撃的な声かけが。ええーっ、ここまであの山道を一生懸命走って来たのにウニ丼ないってか!
ウニ丼を諦め、別のものをオーダーし客席へ向かいます。客席は、テーブル席と小上がりがあります。お盆時期の平日だからか、それともお昼の時間帯を少し過ぎていたからか、お客さんはまばら。なので、ゆっくり座れそうな小上がりに遠慮なく入らせてもらいました。
お店には何本もウニ丼の有無を確認する電話がかかっていました。そりゃあそうです。ウニを20個も使うと言われるウニ丼が、たったの1500円だというのです。ぬいどう食堂のウニ丼、こんなのですよ。ウニが多過ぎてご飯が足りなくなるそうです。ほんっと食べたかった。悔しい。
気を取り直し、注文した歌舞伎丼(1000円)をいただきます。他のお客さんたちもみんな歌舞伎丼を注文しています。みんなウニ丼目当てだったろうなぁ。
このあたり(佐井村の福浦地区)では、明治に歌舞伎が伝えられ、全国的にも珍しい漁民歌舞伎という伝統が残っているそうです。そこから名をとった歌舞伎丼は、いくらとイカ、マグロが乗せられていました。日によって乗せる食材は変わるみたい。この日のいくらがいい漬かり具合でおいしかった。
今回特筆すべきは、このお味噌汁。カラス貝の出汁がよく出て、汁をすすると磯の香りが鼻腔を突き抜けます。めちゃくちゃウマい!完全に漁師町の味噌汁ですが、ここまで感動するとは。ほんっとウマかった。
カスベの煮付けもついてました。カスベは骨がサクサクで、甘じょっぱい味付けがいいですね。カスベってアンモニア臭くなってしまうこともありますが、ぬいどう食堂の煮付けはおいしかったです。
食後、お店を切り盛りしていたおばあちゃんとおばちゃんと少しお話をさせてもらい、お店を後にしました。ちなみに、ぬいどう食堂のすぐ近くには仏ヶ浦ドライブインという食堂もあって、こちらもウニ丼が人気だそうです。ウニ漁やってないなら、こっちもウニ丼がなかったハズ。
そうそう、ぬいどう食堂を目指して国道338号線を走っていた時に、ニホンザルを見かけました。最初は人がいると思ったくらいで、かなり驚きました。カメラを向けた後すぐに逃げてしまったけれど、道路の両脇に1匹ずついたし、別の場所にも母子猿もいたりして。野生のサルを見たのは初めてです。この辺は野生のニホンザルの北限で、天然記念物にも認定されているんだって。地元から近いのに、そんなことも知らなかったし、勉強になりました。
ということで、青森県は下北半島にある「ぬいどう食堂」へ行ってきました。漁師町のあったかい定食は、ここまで食べに来てよかったなと思うものでした。そもそもの目的は1500円の爆盛りウニ丼でしたが、代打の歌舞伎丼もおいしかったです。後から調べてみると、ウニ漁の時期は毎年5〜8月頃と決まっているそうなので、ウニ丼が食べられるのもこの時期だけになりそうです。そしてぬいどう食堂は毎年12〜2月頃は休業となっています。ウニ丼の確認だけではなく、時期によっては営業状況の電話確認もしたほうが良さそうですね。また訪れることがあったら、その時こそウニ丼を食べたいな!
終わり。
住所:〒039-4712 青森県下北郡佐井村大字長後字福浦川目15-1
(*・ω・)つ 青森食べ歩き情報もどうぞー♩