10年ほど前、農連市場にあった「丸安そば」は屋台のようなお店でした。地元民ですら気後れしてしまうボロボロのバラック小屋的な造りに、わたしの第一印象は「台風で吹っ飛びそう!」でした。当時はこのあたりのランドマーク的な存在だったと思うし、24時間営業で早朝は農連市場関係者やタクシー運転手、深夜帯は飲み終わりの酔っ払いがシメそばに訪れるという、そんな愛されるお店でしたよね。
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【移転】那覇・農連市場「丸安そば」で沖縄そばを食べてきた。
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農連市場の再開発に伴い、2016年3月に壺屋へ移転。お店が立派になったなぁと思いつつ、縮れ麺をすすりました。あの時もタクシー運転手が食べにきていたので、お店の場所が変わってもファンは付いて行ってるなぁと眺めていました。
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那覇・壺屋に移転した「丸安そば」へ行ってきた。
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そして農連市場がのうれんプラザに生まれ変わり、丸安そばもこちらに戻ってきました。ブログを振り返ると、訪れる度にお店の場所が違うのですが、しばらくここに定着することでしょう。この日わたしはおとん、おかんを連れてランチに向かいました。
お店の暖簾には丸安食堂の文字。でも待って、お店の看板は丸安そばって書いてるし、のうれんプラザHPのフロアガイドを確認すると丸安とだけ書かれています。どれが正解なのか…。細かいことが気になってしまいますが、まあでもここは沖縄。表記ゆれはよくある話。このブログでは丸安そば表記で進めます。
丸安そばの店内にはテーブルが5席、カウンターは7席ほどありました。平日のランチタイムぴったりくらいの時間帯ということもあり、地元客を中心にお客さんが入っています。
入店後、まずは券売機で食券を購入します。各種沖縄そばに加え、チャンプルーや定食、それから汁物にカレーまでそろっています。暖簾にあった通りまじめな定食屋のようです。
お店の方に食券を手渡して5分ほど。到着したのは、軟骨そば(800円)です。
半濁のスープはとにかく熱々。これが嬉しい!豚とカツオの角のない柔らかな味わいで、意外にもあっさりと食べられます。この濃すぎない味付けは飽きを感じさせません。スープを口に含み「これこれ!この味だ〜」と以前食べた味わいを思い返していました。スタイルとしてはクラシカル。それもそのはず、丸安そばは創業1973年なので、この記事を公開するタイミングで50年を迎える古いお店ですから。
麺は平打ちのちぢれ麺。これ、照喜名ウェーブですよね。のうれんプラザのすぐ近くに照喜名製麺所はあり、沖縄県民から支持を集める縮れ麺を丸安そばでも使っているようです。麺のボリュームが多くて食べ応えがありました。少食さんは沖縄そば小でも十分かも。
大きな軟骨ソーキは4つ乗せられていました。お肉はほろほろに柔らかく、軟骨部分はとろんとろん。麺だけでなくお肉の量も多いです。
半分ほど食べ終わったところで、定番の味変タイム。沖縄そば用の卓上調味料はコーレーグースと紅生姜。
まずはコーレーグースをたらりと垂らしてみます。うん、スープの味わいがさらに丸くなっていい感じ。ついでに軟骨ソーキにも垂らしてみると、お肉の風味がちょいと変わって、これまたいい味変です。かけすぎると辛くなりすぎるので注意しましょう。
お次は紅生姜。塩気と辛味が加わって、食事のアクセントになります。昔ながらの沖縄そばには、やっぱり赤い紅生姜がお似合いですね。
こちらはおとんとおかんが注文した、ソーキそば(850円)。大きなソーキがドーンとふたつ乗せられています。麺のボリュームが多くて「食べても減らない」とおとんとおかんは驚いていました。ふと隣で食べているおじいを見ると、沖縄そばをしっかり完食しています。沖縄のおじい・おばあはいっぱい食べるから元気なんだろうなぁ。
ということで、那覇市樋川にある「丸安そば」でランチしてきました。現在は24時間営業ではありませんが、沖縄そばの味わいは昔のまま、ここのうれんプラザで令和の時代を生きています。懐かしくて、つい食べに来ちゃう人も多いだろうなぁ。
沖縄そば界はニューウェーブなスタイルが広まりつつありますが、丸安そばのようなオールドウェーブが定番として存在するからこそ、幅広いファンを得られているんだよなぁ。ファンを広げていくためにも、丸安そばにはこの場所でずっと地元民の胃袋を満たし続けて欲しいと思いました。
終わり。
お店の情報
店名 | 丸安そば |
住所 | 〒900-0022 沖縄県那覇市樋川2丁目3-1 のうれんプラザ1F |
営業時間 | 8時〜22時(L.O.21時半) |
定休日 | 木曜 |
駐車場 | のうれんプラザの駐車場60分無料 |