やっぱり豆腐メンタルななかのひとです。午前中に精神的にボコられて沈んでいたら、急に森高千里の「遠い所へ行きたい~ どこか遠い所へ~♪」という歌が下りてきました。森高が脳内で流れるほど珍しいことはありません。いつもはヘビメタなのに... 風に吹かれてランチは少し遠出しよう、そう思いました。
やってきたのは以前事務所があった高輪台。今の事務所から浅草線で1つ隣の駅なのですが、普通に生活していて通ることもないし、当時通っていたお店からはもう8か月ほど遠ざかっています。少し懐かしいお店に行きたいと思っていたなかのひとは、古き良き昭和の時代を感じられる「グリル久住」へ。
入り口のドアを開けると懐かしいおばちゃんの声で「いらっしゃいませ~」の声。おばちゃんと目を合わせる事3秒... 反応がないので、耐えかねたわたしは「覚えていますか?」と問いかけました。するとおばちゃんは「あら~おひとり?今日はボデーガードは?」と。ボデーガード=WEBマスター(会社の上司)、なのです。ああ、まだ覚えていてくれてよかったなぁ、そう思いながらなかのひと定番のイカフライを1つお願いしました。
オーダーしてすぐ、おばちゃんに「はい、冷たいの」と冷麦手渡されます。3口くらいで食べ終わるサイズ感。これは夏場限定の気まぐれサービスです。定食が出てくるまでのつなぎなんだと思うんだけど、こういうちょっとした心遣いが本当にありがたいなぁと思う。でも、このお店、ご飯の量とか半端ないときがあるので、小食さんにはオススメできませんw
ランチ時のメニューはこんな感じ。グリル久住は洋食屋なので、ぶりの塩焼きもフライパンで焼いて出てきます。これから秋に向けてサンマの塩焼きも出てくるでしょうけど、サンマもフライパンで焼いた感じで出てきます。焼き加減といい、塩気といい、ほんとおいしいんです!
焼き場担当のおじちゃんは、腕のいい洋食職人なんだなぁ。
ちなみにですが、なかのひとの黄金メニューはイカフライか、魚の塩焼き。冬季になるとカキフライ。あとは気まぐれでナポリタン。でもやっぱりイカフライは別格で、肉厚のモンゴウイカのおいしさに気付いたのはこのお店がきっかけです。おばちゃんにも「他の人からイカフライの注文が入ると、あなたのこと思い出してたのよ~」と言われるほど、イカフライオーダー率は高かった模様。ってことは、裏ではイカねーちゃんって呼ばれてたのかもしれません。
お店はカウンターと4人掛けテーブルが3つ。でもテーブルに4人座ったら定食のお皿は並べきれないだろうし、通路も通れないくらいだと思います。この狭さがいい。同じ釜の飯を食べて育った先輩・後輩(っていうか上司と部下なんだけど)という気持ちになれるお店ですね。ああ、入社したてのあの頃が懐かしいなぁ。
ご飯が提供されるまでは少し時間がかかるけど、それは作り置きせずに1品1品オーダーが入ってから調理している証拠です。相変わらずのボリュームで・・・ 食べきれるのだろうかと思いつつ、しっかり食べきらないと!と気合いで食べきります。山盛りのごはんをよそってくれるのって「いっぱいたべて大きくなってね!」とか「午後も仕事頑張ってね!」とか、そういうおばちゃんの気持ちが入ってる気がして。もういい年なので横にしか大きくならないし、そんなに食べたらお腹いっぱいで寝ちゃうよ~、とも思うけど、食べる事が恩返しだと思っちゃうんだよね。
そういう意味で言うと、都会のオアシスというか、どうも実家で食べているような気にもなるし... となると、やっぱり少しこころが折れて、それを修復するためにおばちゃんとおじちゃんに会いに来たのかもしれません。
わたしのお気に入りのイカフライ。このお店以上においしいイカフライには出会ったことがありません。肉厚で柔らかなモンゴウイカはグリル久住でしか食べられません。1切れが二口サイズなんだけど、かじって中の様子をうかがうと、衣の下のイカには丁寧な仕事がされています。イカに隠し包丁が入っててね、食べやすいようになっているんです。だからリング状じゃなくても食べやすい。おじちゃんの職人技が光ってるんです!
食べ終わったら13時になっていました。このままゆっくりしていたいけれど、そろそろご馳走様!とお会計しようと思ったら、おじちゃんがニコッと笑いながらパイナップルを出してくれました。定食にはついてないサービスをまたも貰ってしまって。お腹いっぱいで食べれないよう!とは言えないし言わない性格なので、一息ついて心を決め、ご厚意のデザートを食べきりました。
イカフライ定食は900円なのですが、1000円札をおばちゃんに手渡すと200円戻ってきました。これも以前からの風習というか、なんとなくのお決まりで、ランチだからかなーとも思うのですが私たちが食べに行くとちょっとオマケしてくれたり。お別れの挨拶をしてお店をあとにしようと思ったら、おもむろに紙袋を開きだすおばちゃん。「これ、演舞場に行ったお友達からもらったんだけど、会社のみんなで食べなさい」とお菓子までいただいてしまいました。前にも小ぶりな桜あんぱん12個もらったこともあるし、こどもとか孫のように可愛がってもらってるなぁ。
いやー、五反田にもこのくらいのお店が作れればいいんだけど・・・ 唯一できるとしたら、やなわらバーくらいか。わたしのような田舎っ子にとっては、こういう下町人情が感じられるお店こそが都会のオアシスだと改めて思いました。「このへんも会社が少なくなってねぇ。マンションが増えちゃって(来客数が減ったから)おばちゃん首くくらなちゃ!」なんて、おばちゃん特有のブラックジョークにドキッ!またお邪魔するまで、おじちゃんもおばちゃんも元気で頑張ってほしいな。
終わり。
住所:〒108-0071 東京都港区白金台2丁目12-19
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