札幌の夜は、ススキノを経験せずして語ることは出来ません。ススキノは一次会で使われるフツーの居酒屋から高級鮨店、着飾ったオネーチャンがいる飲み屋によりどりみどりな風俗、著名人が訪れる老舗料亭、女の子を落とすならここ!っていう隠れ家的なバー、ミュージシャンが集うイベンター御用達のプールバー...いろいろ揃った雑多で眠らない街。もちろんジンギスカン屋もスープカレー屋も朝までやってます。
そんなススキノの外れに、30年以上前から続くビアバー「BEER INN 麦酒停(むぎしゅてい)」があると聞いて行ってみました。中島公園駅からちょいと歩いた人通りの少ない通り沿いで、エクセルホテル東急の並びというか裏側というかそんな場所。
いや、確かに見かけたことがあるわ。札幌に住んでいた当時はまだここまでビールおたくではなかったので、入店することも考えませんでしたけれど...とてつもなくアングラ感漂う地下への階段ですが、これがまたビアギークのハートを掴むわけですね。
入店しまして、わっ!となったのは地下の空間。天井が高く、壁沿いにずらりと並んだ空ボトル&缶の陳列。これは、すごいところに来てしまった。さすが30年以上続くお店だ...
一人圧倒されていると、スタッフの方がメニューを手渡してくれました。
ブレイクサイドがあったので、ビックカントリー(800円)をオーダー。ちなみに麦酒停さん、蝦夷麦酒というインポーターでもありまして、ローグと共同開発したボトルビールもあります。
お通しのバゲットは3切れありまして、カウンター上の好きなタバスコをかけて食べることが出来ます。隣で飲んでいた常連さんオススメのタバスコは辛過ぎてビールの味が飛んじゃった!
ちなみにこの常連さん、麦酒停のことを「むぎ」って愛称で呼んでいたことが印象的でした。
ビールはだいたい6つくらい繋がっているそうです。ビールのオーダーが入ったら、カウンターの外にある冷蔵庫の横に飛び出したタップから注ぎます。
ドラフトの他にもボトルビールが冷蔵庫に数えきれないほど並んでいました。ここまで種類があると、飲むビールを選ぶだけでも至難の業じゃなかろうか。しかし、ボトルビールを眺めてアレコレ悩むのは、非常に楽しい時間なんですよね。わたしも暫く冷蔵庫前から動きませんでした。
もちろん蝦夷麦酒&麦酒停のオーナー・フレッドさんのビールも冷蔵庫に並んでいましたよ。ドラフトは置いてなかったですけれど。
蝦夷麦酒さんとローグは仲良しだろうな、ということで2杯目はローグのグッドシットピルス(800円)をオーダー。普段あまりピルスナーを飲まないんですけれど、これはホップ感もあっておいしかったです。
いや、しかしビールのサイズがパイントしかないのはちょっぴりしんどいな。二日酔いにならない程度に飲むことにしていたわたしは、この旅では概ねハーフパイントだったんですが、麦酒停にはハーフサイズがなかったのでござる。
このあたりで旧友でありイクメンなS介が合流してくれました。乗り換え面倒なところ、わざわざわたしの趣味に付き合ってくれてありがとう!久々の乾杯はサッポロビールのエーデルピルス(600円)で。このへんからセーブモードなわたし。なんせ旅の目標が「二日酔いにならない」だったものですから。
イクメンS介が仕事終わりということだったので、フードもオーダーしました。麦酒停さんのピザは5種類ほどありまして、その中で気になったのがアンチョビのピザとホップのピザ。悩む~!と言うと、お店のスタッフさんがアンチョビとホップをミックスしてくれました。ありがとうございます!でも、しょっぱかった~!
16~17年の付き合いになるイクメンS介との懐かしい話や、直近のお互いのこと、家族についてやこれからの人生設計についてなんかも珍しく話しまして、ビールも進んじゃうわけですよ。ということでボトルビールから1本セレクトしてきたのはこちら。デシューツブルワリーのレッドチェアNWPA。これもオレゴンのビールです。値段は忘れちゃった。ホップ感があって、ボディはほどほどに飲みやすく、〆のビールにちょうど良かったです。
や~、外国のビールやクラフトビールがこんなに流行る前からビアパブを開いていたフレッドさんの先見の明は素晴らしいと思いました。30数年後、ここまで日本国内でクラフトビールが流行るようになるとは、当時誰も思わなかったでしょう。わたしが生まれた頃に出来たビアバーに、わたし自身も行くことになるとは全く思ってもみなかった!さすが、ススキノ。
この日は残念ながらフレッドさんにお会いすることが出来ませんでしたので、いずれどこかでご挨拶できればと思ってます。
終わり。
住所:〒064-0809 北海道札幌市中央区南9条西5丁目 ヨシヤビルB1F
(*・ω・)つ 北海道食べ歩き情報もどうぞー♩