ビールの本場・ドイツ&チェコへ行くために、沖縄→上海PVG→上海SHA→北京→ドイツと乗り換えをせねばならなかった、わたしのひとり旅・搭乗予定機に乗れなくてオワタ\(^o^)/編。
上海虹橋国際空港に到着し、国内便の中国国際航空で北京へ移動、北京からはドイツ・フランクフルト行きのCA965便に乗る予定だったわたし。HOOTERSへ走って消えたご主人サマーを呆然と見送り、その後搭乗ゲート前で待てど暮らせど、上海→北京便が飛ぶ気配なし。
指定のカウンターへ行き「ディレイ?」と聞くと、中国国際航空スタッフが「出発から2時間は遅れるだろう」というような片言英語で返答してくれました。北京→ドイツの航空券も手元にあったのでそれを見せると、スタッフは顔を曇らせます。わたしの英語がたどたどし過ぎたためか、中国人スタッフが「Are you Japanese?」と聞いてきました。イエスと答えると、iPhoneの通訳アプリ経由で「(北京→ドイツ便には)おそらく間に合わない」と教えてくれました。この時点で20時。搭乗予定の飛行機は未だ現れず。
国内便ということもあり、中国国際航空スタッフはあまり英語での対応が得意ではなさそうです。途中でグレースーツを着用したサラリーマン男性客が、わたしと中国国際航空スタッフの間に入り、中国語と英語を通訳してくれました。わたしが英語を得意としていないことを配慮し、わかりやすく伝えてくれるグレースーツ男性。この人なら頼れそうと思い、両替所の場所を伺います。
わたし 「アイハブノーマネー」
スーツ男性「?(えっ金ないの?みたいな顔)」
わたし 「あー、アイハブ円、バッドノー元」
スーツ男性「?(えっ、何言ってるの?みたいな顔)」
わたし 「えーと、アイハブジャパニーズマネーオンリー,バッドノーチャイニーズマネー」
スーツ男性「(あー、はいはい、わかったみたいな顔)」
わたし 「アイウォントエクスチェンジ」
スーツ男性「Exchange money?」
わたし 「イエッス!マネー!!(エクスチェンジマネーって言えばいいのか!)」
そんなこんなでグレースーツ男性は、換金所がどこにあるか空港スタッフに聞いてくれました。到着ロビーにはないこと、一旦出発ロビーから出て(アウトサイドと言われた)、チェックインカウンター付近にあるからチェンジして戻っておいで(カムバックと言われた)というのもわかりやすく説明してくれました。
さて、ディレイの理由がわからず、どうするべきか悩んだのですが、この時点で理由を教えてもらい、大幅遅延が分かっていれば、虹橋国際空港から浦東国際空港へ戻って、ご主人サマーが乗る0時台発の中国東方航空便に間に合ったかもしれません。しかしそんなことを思い浮かべられたのは、気持ちに余裕が出来てから。この時点ではまだのほほーんと「北京行ったらどーにかなるだろ」くらいに思ってました。
1時間経過。搭乗機は到着せずですが、食料とドリンクの配布が始まりました。お金もない、カードも使えない、昼間に機内食をとった以降腹ペコなわたし、ありがたく受け取ります。
この食料配布の後、円から中国人民元への換金目的で到着ロビーを後にするわたし。銀行の換金カウンターがやっておらず、またセキュリティチェックを通る際に、「Water」と呼び止められました。そうです、先ほどの食料配布でいただいた大切なお水をボッシュートされてしまったのです!喉が渇いて仕方がなかったのに… 嗚呼、刹那。
が!神はわたしを見放したわけではありませんでした。搭乗ゲートの中国国際航空スタッフにお水をちょうだいと言ったら、なんと2本もらっちゃった。不遇の中にも幸せはあるものです。2度と出発ロビーから出るもんか!
先のグレースーツの男性が気にしてくれて、エクスチェンジできた?と聞いてくれました。彼に聞かれたら答えようと思い事前に用意していた「バンクイズクローズド」と答えたのですが、これで伝わったのでしょうか。
そうして出発時刻から2時間経過。この時点で北京→ドイツ便には間に合いません。開き直って、ヘビメタを聞き始めるわたし。そう、MBAと電源はあるのだ!時間は潰せる!
そうこうしていると搭乗ゲートにちょいちょい中国人が集まるようになりました。誰かが話を聞きに行くと5〜6人集まる、ということが度々起こります。
22時。そろそろご主人サマーは東浦国際空港に戻ってきた頃でしょうか。ついさっき一緒の機内でビールを飲んでいたのに。なんでわたしだけ遅延してるのかなぁ。
そういえば、今朝ご主人サマーから手渡されたフォーチュンを財布にしまっておいたのでした。3年前かな?ポートランドで訪れたグリフカフェでもらった、お子さんが描いたフォーチュンです。
この日は1日中異動日で、座りっぱなしが多く、腰が痛くなってきました。座っては移動し、移動しては座りを何度か繰り返しているうちに23時過ぎ。また中国人たちが集まり始めました。グレースーツ男性も集まっています。
3分後、更に人が増えました。中国語なので聞き取れませんが、みんなわーわー言ってます。
更に6分後、中国人の輪が広がっています。中国国際航空スタッフが説明していますが、中国語は私には理解できず。この後、何人かがわーっと出発ロビーから急いで移動し始めました。飛ばないから帰って行ったのか、明日以降への振り替えになったのか、それとも何か別の理由があるのか… わたしにはわからないけれど、落ち着かないのでPCをパタッと閉じました。少し後、グレースーツの男性が英語で何かを説明してくれましたが、難しくて「back」しか聞き取れず。
この後、文字通り意気消沈しているわたしに2名の男性が近づいてきます。先のグレースーツの男性と、もう1名。アジア人ではないのに、さっきから中国語を話し倒してる男性です。
スーツ男性「She is japanese.」
わたし 「?」
謎の男性 「日本語わかりますよー」
わたし 「!!!!!!」
もうこの瞬間のわたし、九死に一生を得た感じで、顔を手で覆い、ちょい泣きしました。何時間ぶりの日本語に、どれだけ安心したのかわかりません!日本語サイコー!
謎の男性はルイスさん。東京でも働いていたことがあり、日本語を話すことができます。ここから先、ルイスさんにどれだけ助けられたのかわかりません。上海から北京へ移動し、出発直前まで長いことお世話になりました。気にかけてくれたグレースーツの男性にも、面倒を見てくださったルイスさんにも、本当に感謝しています。彼らがいなければ、わたしは北京行きを断念し、日本に帰ってたと思います。
日本語が上手なルイスさんにこの日の状況を教えてもらいました。北京周辺が悪天候に見舞われ、北京空港が一時的に閉鎖になったこと。北京空港レベルのサイズで閉鎖すると、着陸・離陸の機体が列をなして、大渋滞になること。北京→上海の機内に搭乗していた20名ほどの客が出発しないことに対して騒ぎ、機長命令で彼らが退出させられたこと。20名分のチェックインバッゲージも機内から取り出さねばならず、安全面の観点から荷物のセキュリティチェックを再度行ったであろうこと。いろいろと重なった結果、今回の大幅遅延に繋がったというのです。これ、最初から知ってたら、浦東国際空港に引き返してご主人サマーと同じ便に乗ってたかも… 言葉が通じないハンデは自分に戻ってくるものなのですね。
そしてルイスさんから、出発時刻を教えてもらいました。我々が予約していた上海→北京の機体は2:10に戻ってくるので、出発は3:00、北京到着は5:00。ドイツ行きの便についてもルイスさんがスタッフに確認してくれ、「北京で別便に振り替えができるから安心して!」と励まされました。ルイスさん、ジェントルマン過ぎます。初めて出会った人なのに、どうしてここまで親切なのか。ルイスさんとのコミュニケーションで、どれだけ自分が安心できたのか。本当に学ぶことが多かったです。
やっと、こういう中国っぽい写真を撮れる余裕も出てきました。それもこれも、全てルイスさんのおかげです。
2時過ぎ、やっと我々が乗る予定の便が上海へ到着しました。搭乗を待っているお客さんが窓際に集まります。
ルイスさんとお話ししている間に、外国用の携帯を持っていることがわかりました。彼にお願いして、ご主人サマーにこちらの状況を伝えてもらうことに。中国用スマホや中国国内のWi-FiではGoogleは使えません。制限がかけられていて、Google検索もGメールもGoogleマップも使えません。またFacebookやLINE、Twittterなどの主要SNSも制限されています。なのでどこかでWi-Fiを拾えたとしても、こちらからご主人サマーに連絡する手段はなく、ルイスさんが持っている外国用携帯でGメールを使わせてもらうしかなかったのです。
ルイスさんはこちらの状況と振替え便の予定、そしてルイスさん自身が日本語OKなので安心してね、ということを書いて送信してくれました。すでに上海からドイツへ飛んでいるご主人サマー向けに連絡が入れられたはずなので、こちらの状況を理解してくれるはずです。
2:40、スタッフや乗客がそわそわし出したので、ルイスさんと一緒に搭乗の列に並びました。
2:55、ボーディング開始!実に7時間遅れとなりました。この7時間でどれだけ気持ちの振り幅があったのか…
ボーディングブリッジを進むと中国の新聞がありました。いただかずに寝たいっす!
中国国際航空の機内。疲れ切った乗客が多いですが、CAさんたちもすっかり疲れている感じでした。悪天候と乗客トラブルでの遅延なので、こればっかりはかわいそう。
シートには腰あてのクッションがありました。この日は1日移動日で、待ち時間も多かったので、腰あてがあって非常に助かりました。座席も普通にくつろげるサイズ感で全く問題なし。この時、チェックインカウンターで言われた「Next to well」の意味がわかりました。わたしの座席の後ろは壁。ルイスさんがわたしの座席近くまで「Next to wall、次は壁だよって意味だね」と教えに来てくれました。ウェルじゃなくてウォールだったんだ!
機内誌は読みもの系と買い物系が1冊ずつ。
3時過ぎに離陸。このあたりでマスクをして寝る体勢。
4時過ぎにふと目がさめると、機内食が配布され始めました。この時間の機内食なんてきっつー。ま、いただきますけど。
寝ぼけ眼で撮影したので写真もボケてますが、あまりサクサクしてないデニッシュの上にソーセージが載せられた惣菜パンです。結構重たくて、残しちゃいました。
機内食の後、がっつり爆睡。朝5時頃に北京到着です。
上海で乗り込む時はボーディングブリッジだったけど、北京ではタラップで降りました。ターミナルまでバス移動です。ルイスさん曰く「飛行機も遅れたのに、わざわざ遠いところに降ろされた」「ここからターミナルまで3kmはある」とのこと。
確かに結構バスで揺られたし、滑走路に降りてから北京空港ターミナルまで30分くらいかかったなぁ。でも、遅延した時間を考えるとまだマシっす!そして北京空港でっかいっす!出るのにも時間がかかりそう。
北京空港に到着すると、ルイスさんが中国国際航空のチケットカウンターへ連れて行ってくれました。ここでチケットの変更手続きを行いました。朝6時前ですが、前夜の悪天候で飛べなかった人が早くも並んでいます。ここまで来るのにルイスさんに急かされたのには理由があって、それは北京空港を利用する人の数が多いので、空席確保をするために一刻も急がねばならないのです。このあたりの状況は全く分かっていなかったので、ルイスさんがいなければチケット変更もスムーズに出来なかったです。
朝6時過ぎ。ルイスさんはこの日、モンゴルへ移動のため一旦自宅へ戻って荷造り。ルイスさん的に何もできないわたしをも放っておくのが心配だったのでしょう、自宅まで連れて行ってもらえることになりました。
さらに… 中国人民元がないわたしにルイスさんは「これでご飯でも食べて」と200元を貸してくれました。世の中に、ここまで親切にしてくれる方がいるなんて!本当にルイスさんには感謝ばかり。この借りた200元は中国で使うことはありませんでしたが、借りたお金を返しに北京へ行く理由ができました。
ルイスさんの自宅まで移動する間、しばし北京市内への風景を楽しみます。
6:30過ぎ、ルイスさんのご自宅へお邪魔しました。同居している、奥様の弟さん(イケメン)が朝ごはんを用意してくれました。ずっと炭水化物ばかり食べていたので、シャキッとしたリンゴがおいしかった!この日の睡眠時間は短かったけれど、紅茶をいただいて目も覚ませました。ご自宅のWi-Fiを借りて、現在の状況をご主人サマーへ連絡。荷造りが終わったルイスさんと朝7時過ぎの再び北京空港へ向かいました。
ということで、上海から北京へ移動する便が遅れたのですが、グレースーツ男性とルイスさんに助けられ、なんとか北京へ到着できました。一時は日本へ戻ろうと思ったけれど、こうして助けていただいたおかげでなんとかドイツ&チェコへの旅が続けられそうです。
ルイスさんには、中国人がどんな国民性なのかも教えてもらいました。語気が強くちょっと怖いなぁと思っていたのですが、自己主張が強いだけで彼らはとてもいい人たちなんだそうです。確かにグレースーツの男性も、ボーディングカウンターで水を2本くれたスタッフも、二人とも中国人ですが真摯に対応してくれました。今回の飛行機遅延がなければ、中国人の国民性もルイスさんから教わらなかったし、まだまだ気付きが多い旅は続きそうです。
終わり。
住所:北京市朝陽区首都機場
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