無料の混浴「水無海浜温泉」は太平洋の海水が流れ込むダイナミックな温泉!

2017年12月15日

「水無海浜温泉」の天然露天風呂(その5)

函館市内に生まれたわたしは、道南の椴法華や恵山を身近な環境として成長しました。今回取り上げる「水無海浜温泉」は、その椴法華地区の思い出の場所のひとつ。海岸にある天然温泉なのですが、昔は地元の人しか知らないような場所だったと思います。最近だと「水曜どうでしょう」の闘痔の旅ロケ地だったり、バイク漫画の「ばくおん!!」で取り上げられたりで、昔よりは知名度が上がっているようです。こんな場所に、実家の家族とともに久しぶりに訪れたレポートです。

温度調節は海任せ!海岸にある露天風呂「水無海浜温泉」に行ってきた。

水無海浜温泉の場所

今回訪れた「水無海浜温泉」は渡島半島の右側、函館市の最東端にあります。函館市内からは50kmほど離れていて、ここに向かうには車がなければ相当厳しいと思います。車以外ならバイクでも平気ですし、長距離移動が苦でなければ自転車でもOKです。徒歩移動は普通は無理だろうし、路線バスもないだろうし、椴法華地区でタクシーなんてそうそうお目にかかりません。海沿いの細い道を通り抜け、恵山の麓の運転が難しい道を走らせて、やっと到着します。そんなわけで、ここは観光客よりも地元の人が訪れる場所です。

無料駐車場完備。

水無海浜温泉は、控えめに言っても僻地にあります。なので普通の人は車で訪れるでしょう。無料駐車場から温泉までの距離はわずかです。こんな近くに無料駐車場があるのに、路駐車両が結構あって残念に思いました。周辺道路は狭いので、路肩に駐車せず無料駐車場を利用してくださいね。

「水無海浜温泉」の無料駐車場。

こちらは、駐車場を出てすぐ目に入った案内看板。イラストが薄くなっているのを見ると古そうにも思いますが、函館市と書かれているので平成の大合併以降のものかもしれません。矢印に従い歩くと、目的地が見えてきました。

駐車場から「水無海浜温泉」へ向かう時に見かけた看板。

水無海浜温泉の全貌!

さあ、この先が目的の水無海浜温泉です。恵山の裾が海から45度の角度で空に伸びています。恵山の裾にある岩場の手前が、水無海浜温泉です。先へ進みます。

恵山の裾にある「水無海浜温泉」。

すると「ようこそ水無海浜温泉へ」と書かれた看板が現れました。この温泉の紹介や、入浴マナー、ここにまつわるエピソードや伝説、そして泉質が書かれています。

「水無海浜温泉」の説明看板。

山の麓に広がる太平洋がより近付きました。海水浴を楽しむ親子連れが何組かいます。青いサンシェードテントも出ているので、長く滞在して遊んでいる人もいそうです。さあ、どこに水無海浜温泉がどこにあるかわかるでしょうか。

「水無海浜温泉」の天然露天風呂(その1)

さらに近付きます。そろそろ温泉がどこにあるかわかったと思います。岩場の真ん中にドーンと、人工的な石造りの四角い浴槽があり、中に水が張っています。このあたりが水無海浜温泉。雨風を防ぐ建屋はありません。こんなすんげえ立地の温泉、とっても珍しいでしょ!

「水無海浜温泉」の天然露天風呂(その3)

水無海浜温泉には、浴槽が3つあります。まずは、下の写真左手前の浴槽です。ここはめちゃくちゃ温度が熱くて、誰も入っていませんでした。その奥は少しぬるめのいい温度で、長湯が楽しめそう。

「水無海浜温泉」の天然露天風呂(その4)

そして、少し離れた場所にも石造りの浴槽が1つあります。海に沈みかけているけれど、おわかりでしょうか。久しぶりに来たので、こうやってみているだけでめちゃくちゃ楽しいです。よっしゃ、水無海浜温泉を満喫しようじゃないの!

「水無海浜温泉」の天然露天風呂(その2)

男女別の更衣室もあります。

それでは、まず着替えをします。温泉から少し離れた高台に、更衣室があります。水無海浜温泉は露天風呂で混浴風呂です。裸で入浴してもいいし、水着着用で入浴しても問題ありません。わたしは服の下に水着を着用してきたので、服を脱いでパパッと着替えて温泉へと戻りました。

更衣室も完備している。

更衣室の中はロッカーがあるだけで、鍵や足拭き、シャワーなどはありません。更衣室は広くないため、持ち込む荷物は最低限にすると良いでしょう。また鍵付きロッカーはないので、貴重品の管理は自己責任です。

女子更衣室の内部。ロッカーはあれど鍵がない。

レッツ入浴タイム!

それでは入浴タイム!見てください、この立派な浴槽を!昔はこんなに立派じゃなかったんです。もっと雑に、コンクリートで固めただけっぽい浴槽だったよなぁ。ここまで立派に整備されたのは、「水曜どうでしょう」の闘痔の旅や「ばくおん!!」のおかげかもしれません。

「水無海浜温泉」の露天風呂は石造り。

お子サマーの人生初の温泉は、道南が誇る水無海浜温泉となりました。普段からお風呂やシャワーを怖がらないので、この日も特に怖がるそぶりもなかったです。むしろ水面を叩いてバシャバシャ遊ぶ余裕すら見えました。

「水無海浜温泉」は全裸でも入れるし、水着着用で入浴することも可能。

一方、カーチャンとしては足場が悪いので、転んでこどもを沈めないよう気を付けました。温泉の中は大きな岩が転がっていて不安定な上、それらの岩に苔が生えてヌメリがあるのです。大人が腰を下ろして胸くらいの深さしかありませんが、足場には十分気を付けましょう。

30年ぶりに「水無海浜温泉」に入る!

この日は大人4人、こども2人で訪れたのですが、ガッツリ温泉に入ったのはわたしとお子サマーだけ。おかんは気軽に足湯を楽しんでいました。

「水無海浜温泉」で足湯するおかん。

入浴時間は、干潮の時間だけ。

この水無海浜温泉は、干潮の時間帯にしか入浴することができません。何故か?それは、潮位によって浴槽が消えてしまうからです。満潮に向けて水位が高くなると、海水がどんどん流れ込み、水無海浜温泉が海に沈みます。海に隣接する温泉ならではの入浴時間です。

我が子と「水無海浜温泉」に入ろうとは、考えたこともなかった。

この海水が流れ込むおかげで、温泉の温度も変化します。わたしが訪れた時間帯は干潮から潮位が上がってきた頃で、浴槽にどんどん海水が流れ込んできました。温泉というかもはや大海原の一部と化しています。北海道の海は真夏でも冷たいけれど、温泉と混ざり合って心地よい温度になり、長く遊んでいられそうです。

潮の満ち引きで海水が流れ込み、温泉の温度が変わる。

そんな大自然の恩恵でできている水無海浜温泉は、日によって入浴時間が異なります。10時間入浴できる日もあれば、2時間しか入浴時間が設定時間がない日もあります。そして、1日に1度しか入浴時間がない日もあれば、3回も設定されてる日があります。この温泉の入浴スケジュールは、函館市のサイトに掲載がある他、現地にも掲示がありました。入浴設定時刻であっても波が高い日はNGだそうです。でも、365日毎日入浴可能だから、真冬に訪れるのも悪くなさそうです。

「水無海浜温泉」の入浴可能時間が決まっている。

岩場を歩くのでマリンシューズを用意したい。

水無海浜温泉は道が整備されています。無料駐車場から温泉まで舗装されていたし、温泉まわりには歩きやすい歩道もあります。しかし全ての道が整備されてはいません。わたしはビーサンで訪れましたが、温泉の中・外問わず足元が不安定なので、履き慣れたマリンシューズが欲しかったです。

「水無海浜温泉」の周辺は岩場になっているため、裸足では歩かない方がいい。

浴槽の脇や海っぺりはこんな感じの岩場になっています。小さなお子さんが歩き回るには少し心配だし、大人が歩くのも慎重になるかもしれません。この辺には、裸足で歩くとザックリ切ってしまうような岩はないと思いますが、安全のために足を保護するものを用意したいですね。

岩場と海岸線が懐かしい。

水無海浜温泉といえば、フナムシ!

小さな頃、水無海浜温泉を恐ろしく思っていた唯一の理由が、フナムシの多さです。フナムシなんてすぐに逃げていなくなるし、全く怖くない虫です。でも小さな頃は、温泉のまわりにブワーッと沸く真っ黒いフナムシが怖くて怖くて... 今となればGKBRのように飛んで来ないだけ全然マシだし、むしろ可愛いもんだと余裕で温泉を楽しみました。わたしも大人になったなぁ。

「水無海浜温泉」と言えばフナムシ!(ピンボケ)

浅瀬で泳ぎやすいためか、海水浴客が多かった。

水無海浜温泉は海岸と隣接した温泉です。つまり、目の前には海が広がっています。このあたりは岩場なので、海水の濁りもあまりなく海水が綺麗。遠くまで行かなければ深さもほどほどだし、シケてない日は波も穏やかだから、海水浴に訪れるのもよさそうです。

浴槽のすぐ先には、太平洋が広がる。

ただし、北海道の海は真夏でも冷たいです。昼過ぎまで入っていたら、大人でも寒くなっちゃうと思います。そんな時は、この天然温泉で体を温めればOKですね。

温泉も楽しめるし、海水浴も楽しめる。

時間とともに潮が満ちていきます。すると俄然泳ぎやすくなって、小さな子達も浮き輪でぷかぷか楽しみ始めました。お子サマーが大きくなったら、こうしてまた楽しみに来たいな。

温泉よりも海水浴を楽しむ家族連れが多かった。

日陰がないので、紫外線対策をしたい。

水無海浜温泉には、温泉を囲う建屋がありません。また周辺にも雨風を凌げる屋根などがありません。つまり直射日光が当たります。北海道はそれほど紫外線が強くなさそうですが、海からの照り返しもあるだろうし、紫外線対策はしておきたいですね。うちのおとんは「日が当たる〜」とお子サマーを抱えて岩場のわずかな日陰に隠れていました。日焼け止め、帽子、サングラスは定番ですが、わたしのようにラッシュガードの着用もオススメです。

日陰や木陰がなく、直射日光が当たるため、紫外線対策は必要だ。

まとめ

ということで、函館の椴法華地区にある「水無海浜温泉」に行ってきました。30年振りの入浴は、当時を思い出して灌漑深いものがありました。祖母が生きていた頃に一緒に入った温泉ですし、当時はもっと真っ裸のおっちゃんが何人もいたりして、地元民が入ってる無名の温泉という印象でした。この日も1名、ガチで温泉を楽しんでいそうな真っ裸のおじさんがいらっしゃいましたけれど、まわりが水着の家族連ればかりだったので、逆に気になって仕方なかったです。

帰りしな、こんな看板が目に入りました。

とるのは写真だけ、残すのは思い出だけ。

それぞれ「とるのは写真だけ=密漁はしない」、「残すのは思い出だけ=ゴミは持ち帰ろう」という意味でしょうか。温泉も海遊びもマナーを守って楽しみましょうね!
終わり。

住所:〒041-0605 北海道函館市恵山岬町

(*・ω・)つ 北海道食べ歩き情報もどうぞー♩

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ユッキー@毎日ビール

グルメブログ歴12年、沖縄移住10年。沖縄定番グルメからローカル店まで食べ歩き情報を綴ってます。国内外のビアバーめぐりに、旅・遊びの情報も。クラフトビール歴は16年、ホップの効いたビールが好き。

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